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伊予市パーフェクトガイド

伊予市ガイド vol.212【こたろうの『伊予市、ナニミル?ナニヲシル?』】 第41回:突先を目指す

ようおいでたなもし、伊予市パーフェクトガイドの世界へ~♪~♪~♪

 

第212回目は、伊予市にある「こたろう博物館」の館長であるいせきこたろうさんの『伊予市、ナニミル?ナニヲシル?』

 

シリーズ第41回目です♪ お楽しみください!

 

 第36回~39回「山を歩く」、第40回「基準点をめぐる」と、今まで高さ方向に突き出す場所を目指す、いわば「垂直方向に上がる旅」をしてきた。

 

 今回は、視点を少し変えて、「水平方向に向かう旅」を行う。

こんなこと言われても、何のこっちゃよくわかんないだろうが、要は「海へと突き出た場所に向かう」ということだ。

とはいっても、南予のリアス海岸ならば、岬のような場所は腐るほどあるが、伊予市内の海岸線はほぼ直線。突先を巡ると意気込めども途方に暮れることになる。

 

企画倒れか。いや。港とかに行けば、防波堤など、海に向かってツンと鼻を出した構造物があるじゃないか。

そうだ。それを巡ることにしよう。

伊予港へと行ってみる 

 身近な場所、伊予港へと足を運んでみる。

 こたろう博物館を出て商店街を南進し、安広川河口から五色姫通りを歩く。 

 

五色浜神社を過ぎて、道が緩やかに左に折れたところで足を止めて、外港の様子をしばし眺める。

(写真)伊予港内港より旧灯台・西防波堤・北防波堤を望む

 そして考える。本日は突先から突先までウォーキングしてみようと。

総歩行距離は片道約2.6km、往復で約5.2km。健康づくりにお誂え向きな距離感だ。

(図)今回のウォーキングルートと距離関係(距離は概算)

港の名前について

 そういや、伊予鉄郡中線の終着駅は郡中港という名前だが、なぜ伊予港ではないのだろうか。この辺りをまず整理しておきたい。

 

 こたろう博物館を開設している伊予市灘町。お隣の湊町も含め、この辺りは「郡中」と呼ばれる。

 寛永12年(1635)、大洲領桑村郡(現・西条市)・風早郡(現・松山市)と松山領伊予郡(現・伊予市・松前町・砥部町)・浮穴郡(現・伊予市・砥部町)との領地交換が行われた。

そして、大洲藩新領地を「御替地(おかえち)」と称した。

 

 その翌年、宮内九右衛門・清兵衛兄弟が上灘村(現・伊予市双海町)から当地に移住した。商売や他の地域との交易を図る上で極めて好適であることから、大洲藩の許可を得て、町を拓いた。上灘から移住したことから、灘町と称した。

 

 物産の交易を行う上で、地理的には好適地だったものの、灘町の浜辺は遠浅であり、船荷の積み下ろしには、沖合に止めた船と陸地の間を小舟で何度も行き来しなければならず、非常に不便であった。

 

 こうしたことから、藩政時代、文化9年(1812)に郡中代官所手代の岡文四郎重道が波戸の建設工事を起工し、24年の歳月をかけて港を築き上げた。この港は萬安港(ばんあんこう)と呼ばれた。命名の由来は定かではないが、「全く安心できる」「少しの懸念も要らない」という意味合いで、港の繫栄・安全を祈願して名付けたことだろう。

 

 その後、天保六年(1835)に至るまで幾度かの改修が行われ、現在の内港の形態がほぼ完成した。

 明治44年(1911)年、当時の郡中町長であった藤谷豊城の起案により改修が進められ、一文字防波堤に沿った埋立工事などが行われた。この頃は郡中港と呼ばれていた。

 

 その後、産業の発展に伴い、伊予・上浮穴・喜多・温泉の各郡で増加の一途を辿る諸物産の物流拠点として郡中港の重要性が高まり、町も大いに栄えた。

そして昭和初期には国の助成を受けて、3カ年計画で既存突堤の修築や新規突堤の増築などの本格的な改修が実施された。

 

加えて、昭和12年(1937)から県営事業として外港整備が始まったのだが、太平洋戦争により計画工期は大幅に遅延。昭和33年(1958)にようやく完工した。この時、郡中港から現在の正式名称である伊予港に呼称変更が行われたのである。

 

 伊予鉄郡中線の終着駅名が「郡中港」のままなのは、かつて栄華を極めた時代を偲ぶものとして、またその頃に定着し呼び慣れた名前を永続的に遺したいという町民の願いもあってか、「伊予港」に変更されずに今日に至っているのだろう。

 

旧灯台のこと

(写真)旧灯台

 今回の旅(ウォーキング)の取っ掛かりは、レトロな情緒たっぷりの灯台だ。

高さ6m強の石造灯台で、堂々とした面持ちで、映える風景を醸し出している。

 

 江戸時代に築かれた萬安港は、明治初期には風波によって砂や小石が流入し、港やその入口が浅くなってしまい、商船・漁船の出入りが困難となったことから、明治2~3年(1869~1870)に長さ約70mの石崖を築き、その先端に石造の燈台を置いた。その後、大正元年(1912)に現在地に移設したということである。

 

 燈台の側面に、建設の経緯や世話方・寄附者の名などを刻んだ文が残されている。こうなると、僕なんかは文字をすべてを読み下してみたくなる。悲しき性だ。だが、いかんせん大正元年の移設時に順序良く復元していないようで、文があちこち飛び飛びになっている。また移設時に新たに文字を刻んだ石も混じっており、読み下しに難儀する。

 

 「港口改築之為移転築台 大正元年十月廿五日 町長藤谷豊城」の部分なんかは、移設時に新たに刻まれたことが容易に把握できる。「石工今岡仲次郎」という石工名の刻字部分なんかも、もともとの灯台の石工は河野為吉郎であるから、大正元年のものだ。

 

 しかし、苦労して読む必要はなかった。この辺りは伊予市教育委員会を中心として調査が進められていて、レポートが纏められていて、伊予市HPに掲載されていた。詳しく知りたい方はをそちらを参照いただきたい。

 

突先へと足を運ぶ~西防波堤

(写真)郡中港西防波堤灯台

 前置きが長くなり過ぎた。本題に戻って、突先に向かって足を運ぼう。

 長さ400mの突堤上を歩く。その先端には赤灯台がある。

郡中港西防波堤灯台である。

 

初点は昭和25年(1950)4月。赤灯台と記したが、官報とかを紐解くと設置当初は白塗りであったことがわかる。

おそらく、平成11年(1999)11月の改築時に、現在のような色合いに変わったのだろう。

古写真を探して、その事実関係を確認しておきたいところだ。

 

 さて、堤防を実際に歩いてみると、この堤防で釣りや散歩をする人が意外と多いことに気づく。

「人物の写真を(極力)写さない」を信条としている僕には、なんとも都合が悪い。人が映り込まないように灯台を撮影するためには、人が居なくなるタイミングを見計らわなければならない。

 

 それにつけても、ここからの瀬戸内海の眺めは最高だ。腰を下ろして眺めていれば、撮影タイミングを待つ時間も苦痛にはならない。

埋立地のこと

 新旧の灯台を眺め終わったら、向かい側の北堤防を目指して、海岸沿いのバイパスを歩いてみる。

 僕が就職して松山市に居住するようになったのは昭和59年(1984)のことだが、その頃は、まだ湊町・灘町の境界を流れる梢川の河口あたりには海岸線があったように記憶している。

 

この辺りが埋め立てられたのは、昭和62年(1987)から平成12年(2000)にかけてのことだったはず。それほど遠い過去ではない。

 

 海沿いに新たなバイパス道も造られた。この道は幹線道路的な位置付けとなり、僕も故郷・南予への帰省の際には、往復路としてこの道をしばしば利用したものだ。

 

 埋立地には工場が建設されるまではコスモス畑が広がっていた。

今でこそ東温市見奈良はじめ、コスモスの花を観るスポットが県内の随所に見られるが、その頃は、コスモスといえば翠波高原(四国中央市)が定番だった。

 

見物に繰り出したくとも、その頃は高速道路も無かった時代。

往復時間やガソリン代を考えると、おいそれと車を走らせるわけにもいかなかった。

この埋立地のコスモス畑は、遠方まで足を運ばなくても良く、家族連れのプチ旅の場所としてとても重宝したものだ。

 

しかし、公共下水道終末処理場や各種製造工場が建設されてしまい、コスモス畑は姿を消した。今では思い起こす縁もない。

突先へと足を運ぶ~北防波堤

 そんなちょい前の過去を思い出しながら足を進め、北堤防へと至る。

そして長さ260mの突堤上を歩き、西端へと向かう。

(写真)郡中港北防波堤先端

 

 突先には、写真のような構造物が据えられていた。

遠目には灯台のように見えたのだが、近づいてみると、とても灯台と呼べるようなものとは思えない。

 

正式名称は何で、どのような役割を果たすものなのだろう。

やはり堤防の突先に設置されているからには、小振りながら灯台か。はてさて航路標識の類か。

 調べる課題がまた一つ増えてしまった……。    

◆お店の詳細◆

店名:こたろう博物館

住所:愛媛県伊予市灘町60-3  

電話:(非公開、詳しくは店頭で)

営業時間:10:00~19:00

定休日:火・水曜日

(その他不定期休がありますので詳しくはホームページ等のカレンダーでご確認ください)

HP: http://kotaro-iseki.net

FB: https://facebook.com/kotaro-MLA

伊予市「こたろう博物館」館長いせきこたろうさんの【こたろうの『伊予市、ナニミル?ナニヲシル?』】連載紹介♪

◆「伊予市ガイド vol.209 第40回 基準点をめぐる」

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◆「伊予市ガイド vol.206 第39回 山を歩く~障子山」

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◆「伊予市ガイド vol.203 第38回 山を歩く~白滝山・権現山」

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◆「伊予市ガイド vol.200 第37回 山を歩く-金松山」

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来週あたりついつい行きたくなる

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公開した『伊予市パーフェクトガイド』

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イラスト:山内ひろみ

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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