伊予市パーフェクトガイド
ようおいでたなもし、伊予市パーフェクトガイドの世界へ~♪~♪~♪
第153回目は、伊予市にある「こたろう博物館」の館長であるいせきこたろうさんの『伊予市、ナニミル?ナニヲシル?』シリーズ第21回目です♪
今回も「神社に詣でる」シリーズで、伊予岡八幡宮についてあれこれ語ってみることにする。
令和6年の幕開けである。初詣を終え、1月4日から仕事始めとする。
崇敬社として伊佐爾波神社をはじめ、松山市内の3社ほどにお参りしたし、伊予市の山崎地区の総鎮守である正一位稲荷神社にも詣でたので、そんなに欲深く多くの神社へと繰り出す必要もないとは思ったのだが、そういや伊予岡八幡神社へ詣でてなかった。この「まいぷれ伊予パーフェクトガイド」で、伊予岡八幡神社のことを書き綴っているからには、ちゃんとお礼参りの意味も込めて参拝しておかねば、そりゃ失礼ってものだ。
伊予岡八幡神社
正月三が日から外れての参拝、しかも開店前の早朝の参拝ということもあって訪れる人の数は極めて少なかった。だが、その方が境内の様子を落ち着いて観察できる。
拝殿の前には、新調されたと思わしき注連飾りが懸けられている。ごぼう締め、前垂れの注連飾りだ。輪飾り・玉飾りなどは見当たらない。こうしたものも、正月ならではの姿を見せる。注意深く観察しておきたいものだ。
拝殿入り口の脇に、地元高校生による奉納絵馬が置かれている。愛媛県立伊予農業高校(伊予市下吾川)の美術部の生徒が描いたものだ。令和6年甲辰。今年の干支である龍が描かれている。
絵馬を奉納するのは、何も高校生だけではない。初詣で訪れた人々も諸願成就を祈って、小絵馬を奉納している。この神社の今年の小絵馬は、干支である龍、そして松竹梅のイラストが描かれたものだ。
奉納もしていない僕が身勝手なことを言って申し訳ないのだが、小絵馬にはぜひとも神社名を入れてほしい。神社名が記されていないと、何となくではあるが、量販物っぽくってありがたみが失せてしまうような気がする。加えて、撮影した絵馬の写真がどこのものだったか、後から思い起こすのにも困ってしまう。
例え印刷されていなくても、ハンコでも構わない。表面に社名が記されるとありがたいんだけどなぁと思ってしまう。
しかし、これは飽くまでも僕の個人的な希望。こんな「希望を述べる前に、まずは奉納しろよ!」と神様に一喝されそうだが、信心浅い私にもどうぞご加護を。
辰年なのだから、境内社の一つ、「龍神社」にも参拝しておくことにしよう。
龍神社は、拝殿の西側。いや、方向で示してもわかりにくいか。拝殿に向かって左側の小高い山の上に鎮座している。と言っても、これだけでも判りにくいかもしれない。
八幡神社拝殿の西側に鳥居がある。それを潜り石段を登っていくと、正面に上之川神社の拝殿がある。境内社にしては珍しく大きな社殿を構えている。それもそのはず。この上之川神社は吾川地区に点在していた十数社の神社を、明治42年(1909)に合併・祭祀したものである。
この上之川神社の拝殿に向かって左側の小高いところに祀られているのが龍神社だ。
取り立ててこれといった特徴を持つわけではない。自然石の組み合わせによる基壇の上に小さな祠が佇むだけである。祠前には、お正月だからか、ワンカップの日本酒が数本供えられている。
龍神社と名の付く神社に参拝すると、卵を奉納している例を数多く見かける。これは、卵が蛇の好物であることに拠るものだろう。龍も蛇も似たような風貌をしているので、龍も卵が好物である、そう考えた結果かもしれない。
しかし、この神社に供えられているのは酒だけである。まあ、酒を供えるのは龍神社に限ったことではない。現に、家庭の神棚でも、米・塩・水に加えて酒を供えることが普通に行われている。だけども、ここを訪れると、何かしら龍と酒の間に、強い関係があるように思えてくる。
江戸時代には、大洲領主・加藤家累代の祈願所として崇敬が厚く、日照り続きの際に雨乞い祈願も行われていた様子である。この龍神社もその流れの中で祀られることになったのではないか。「雨乞い→降雨→米の豊作」となれば、日本酒の製造も安泰なわけで、豊作の返礼として酒を奉納する。そう考えれば、龍神社に酒を供えることの合理的説明になりそうだ。
辰年なのでもう一つ龍に纏わるものを眺めておこう。といっても、龍に纏わる伝説があるとか、龍神を祀る境内社があるとか、そんな話ではなく、単に龍の御姿を象ったものが供えられているだけの話なのだが。
これは、拝殿に向かって右側の境内末社群の一つ、恵比須神社に置かれてものだ。
恵比寿神社(戎神社、恵美須神社などと表記されることもある)の主祭神は事代主神。俗にいう恵比寿神だ。従って、写真右側の土色をした像のように、鯛を小脇に抱えたお姿の像が奉納されるのが本筋だ。
しかし、ここの恵比寿神社に奉納されている数多くの人形の中に、なぜだか1体、恵比寿神とは異なる風貌の像が紛れ込んでいる。これは、福禄寿だ。まあ、恵比寿神も福禄寿も七福神のメンバーなので、近縁といえば近縁か。
ともあれ、福禄寿の横になぜ龍が居座っているのかが非常に気になる。七福神の神使といわれる動物を列挙すると、恵比寿神は鯛、大黒天は鼠、寿老人は鹿、そして福禄寿は鶴のはずである。玉を加えた龍が寄り添った福禄寿など、生まれてこの方、今までに一度として目にした記憶はない。
まあ、縁起物・インテリアの一つとして、辰年あたりに作られた人形が用済みとなってこちらに奉納されたものかも知れないし、この福禄寿と龍のペアにはそれ以上の意味はないのかも知れない。
しかし、妙な取り合わせであるがゆえ、いろいろと想像が膨らみ、見ていて楽しいことこの上ないのである。
さて、奉納されている他の像を注意深く眺めてみると、恵比寿神だけではなく大黒天も数多く置かれていることに気づく。頭巾を被り、福袋を背負い、打ち出の小槌を持っているのが大黒天だ。
大黒天も七福神のメンバーなので、奉納されるのは不思議なことではないと見ることもできるが、ここはあくまでも恵比寿神社。節操ないよなぁと思うのは僕だけだろうか。
ただ、神仏習合により大国主神は大黒天、事代主神は恵比寿と同一視されるようになっており、大国主神を祀る出雲大社、恵比寿神を美保神社の総本宮は共に出雲(島根県)という点で共通性はある。
「まあ、これも現世利益を願う民衆の祈願の一つの形なんだろうね」と柔軟に受け止めることにして、細かいことにこれ以上あまりチャチャを入れないことにしよう。
こんな感じで、今年も伊予市のディテールを拾い集めながら書き綴っていきたいと思っていますので、引き続きご笑覧いただきますよう、よろしくお願いいたします。
◆お店の詳細◆
店名:こたろう博物館
住所:愛媛県伊予市灘町60-3
電話:(非公開、詳しくは店頭で)
営業時間:10:00~19:00
定休日:火・水曜日(その他不定期休がありますので詳しくはホームページ等のカレンダーでご確認ください)
◆「伊予市ガイド vol.147 第19回 神社に詣でる-(4)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/82190
◆「伊予市ガイド vol.147 第19回 神社に詣でる-(3)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/81199
◆「伊予市ガイド vol.144 第18回 神社に詣でる-(2)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/80131
◆「伊予市ガイド vol.141 第17回 神社に詣でる-(1)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/79193
◆「伊予市ガイド vol.138 第16回 石造物を訪ねる」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/78092
◆「伊予市ガイド vol.135 第15回 道を訪ねる-(5)~いにしえの道」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/77204
◆「伊予市ガイド vol.132 第14回 道を訪ねる-(4)~その他の道」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/76376
◆「伊予市ガイド vol.129 第13回 道を訪ねる-(3)~市道とか」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/75466
◆「伊予市ガイド vol.126 第12回 道を訪ねる-(2)~そして県道へ」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/74761
◆「伊予市ガイド vol.123 第11回 道を訪ねる-(1)~まずは国道を」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/73821
◆「伊予市ガイド vol.120 第10回 橋を眺める~何かしらを跨ぐ路(みち)-(4)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/72993
◆「伊予市ガイド vol.117 第9回 橋を眺める~何かしらを跨ぐ路(みち)-(3)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/71897
◆「伊予市ガイド vol.114 第8回 橋を眺める~何かしらを跨ぐ路(みち)-(2)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/71175
◆「伊予市ガイド vol.111 第7回 橋を眺める~何かしらを跨ぐ路(みち)-(1)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/70419
◆「伊予市ガイド vol.108 第6回 地下を潜る路」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/69458
◆「伊予市ガイド vol.105 第5回 川を堰き止めるものを訪ねる」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/68618
◆「伊予市ガイド vol.102 第4回 水を求めて~川を見つめる(2)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/67646
◆「伊予市ガイド vol.99 第3回 水を求めて~川を見つめる(1)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/66679
◆「伊予市ガイド vol.96 第2回 水を求めて~ため池を眺めてみる」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/65665
◆「伊予市ガイド vol.93 第1回 農村風景を眺める」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/64697
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※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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