伊予市パーフェクトガイド
ようおいでたなもし、伊予市パーフェクトガイドの世界へ~♪~♪~♪
第123回目は、伊予市にある「こたろう博物館」の館長であるいせきこたろうさんの『伊予市、ナニミル?ナニヲシル?』シリーズ第11回目です♪
今まで、橋とかトンネルの話題を数回取り上げてきたのだが、これらは謂わば「道」を構成するものの一部でもある。となれば、「道全体を眺める」、「道を訪ねる」といった旅も当然アリだと私なんかは思うのである。
道は、目的とする場所へ移動するために通行するものであって、それ自身を観察して楽しむようなものではない。今までこれと似たようなことを散々口走ってきた。しかし、「絶景だ」とか「映える」といった感嘆を求めず、知的好奇心を満足することを主眼においた旅ならば、「道」は恰好の素材と思えてならない。
「皆さん、『Nat’l Rte』って何のことかわかります?」
のっけからこんな質問をしてみるのだが、察しの良い方なら項見出しからすぐに「国道」であることに気付くだろう。もちろん、英語に堪能な方ならば「当たり前じゃん」と一言で片づける話である。そう、これはNational Routeの略であり、国道を表す略号である。Google Mapなどを注意深く眺めると、この表記を見出すことができる。
余談はさておき、愛媛県には何本の国道があるのだろう。愛媛県内に起点あるいは終点があるものをざっと数えてみると18本通っている。1桁国道はない。2桁国道は11、33、56号の3本ある。皆さんお馴染みの国道で、生活道としてもよく用いている道、当たり前のような存在の道であるが、ここでゾロ目が2つ出てくることに注目されたい。
55号も通ってたりすると、意外とすごいことなんじゃないかなと思ったりするわけである。その55号はどこにあるのか。これは徳島~高知間を結んでいる。
惜しい。国道55号と56号の制定順序が逆になっていたら、愛媛県は「奇数ゾロ目2桁国道が集結する県」、とりわけ松山市は「奇数ゾロ目2桁国道が集結する日本唯一のまち」だったのに。その希少性を大声で日本全土にアピール出来たのに。実に残念だ。
参考までに他のゾロ目国道をチェックしておこう。
まずは、「偶数ゾロ目」。22号は愛知県名古屋市~岐阜県岐阜市、44号は北海道釧路市~根室市である。
66号、77号、88号、99号はどこか。これは実在しない。現在、59番以降は欠番となっている。
ついでに「3桁ゾロ目」もあたっておこう。111号は欠番。222号は宮崎県日南市~都城市、333号は北海道旭川市~北見市、444号は長崎県大村市~佐賀県佐賀市となっており、現在508号以降は欠番となっている。
ということで、ゾロ目国道は全国で9つしかないことがわかる。そのうち2つが存在するのは愛媛・高知・北海道の1道2県のみだ。これは誇らしいことじゃないか。あー、それにしても、国道55号と56号の制定順序が逆になっていたらなぁ。「全部の奇数ゾロ目2桁国道」が愛媛に欲しかったなぁ。今さら残念がっても仕方ないのだが。
おっと、余談が過ぎた。「伊予市パーフェクトガイド」なんだから、伊予市を中心とした話題にシフトしていかねば。
伊予市を通っている国道は56号と378号の2本のみである。
378号は、伊予市を起点しているので、「伊予市の国道」と呼んでも語弊はなかろう。双海町の海岸線を通り、八幡浜市経由で海岸線沿いに延々と続き、終点・宇和島市へと至る総延長の長いこの国道だが、とりわけ双海町の区間は、春には道沿いに群生する菜の花を目当てに、夕暮れ時には夕焼けを眺めにと、ドライブする人も多い。そう、この国道は「道自体が観光の対象」になっているのが特徴的だ。正確には、観るべき対象は道本体ではなく、道を取り巻く環境・風景がお目当てになっているのではあるが。
一方、国道56号はどうだろう。こういっちゃ何だが、車を走らせたところで、取り立ててこれといった景観に巡り合えるわけでもない。もちろん「道の駅・なかやま」もあるし、伊予インターチェンジとの接続もされている。南予方面へのアクセスという点では欠かせない主要インフラであることは疑いないのだが、「観るべき道」とは言い難い。
「なんか、国道56号ならではの良さはないものか」と躍起になって資料類に目を通す。すると、国道56号伊予インター関連工事(伊予市市場~松前町筒井、延長6.4km)の資料に、「愛媛県のキウイフルーツの出荷量は全国シェア第1位で、県内では伊予市での生産量が最も多いこと」、「伊予市の保冷庫から国道56号を利用して松山市内の物流拠点へ運び、京阪神や東海・京浜に出荷されていること」などが記されているのが目に留まった。
なるほど、そうだったのか。キウイフルーツは伊予市が主産地だったのか。国道56号について掘り下げていくことで、また新たな知の世界が広がった。
「道の何を見ようか」、「道から何を学ぶか」と、地図や資料だけ眺めながら考えていたが、とにかく現場現物を眺めることから始めよう。現場に足を運べば、何か見つかるはずだ。
ということで、上述の伊予インター関連工事の第一工区、市場~稲荷あたりに繰り出してみた。
早速、写真を一枚撮影。何の変哲もない、ありきたりの道路の風景である。

さて、いきなりこんな写真を見せられても、「で?これが伊予市の見どころなん?」と大抵の人はツッコミを入れたくなるだろう。
この写真は何を語るだろう。何を教えてくれるだろう。
観光にはなり得ないかも知れないけれど、知的好奇心をくすぐってくれそうなものが色々と写り込んでいる。何気ない風景を切り取った一枚の写真には、実に多くの情報が包含されているのだ。
皆さんはまず、「えっ?これ、どこの写真よ?」といったところが気になるだろうか。私なんかは、
「この交差点は何ちゅう名前やろ?」
「奥側に写り込んでいる歩道橋にも名前はあるんやろか?」
といった、知っていても何も得しないような情報がやたら気になり、そして調べたくなってしまう。
注意して写真を眺めていただくと、ちゃんとその答えが写り込んでいることに気付かれることだろう。そう、信号機の横に、ちゃんと「稲荷口交差点」と記されている。従って、「何処?」に対する答えは「伊予市稲荷」、「交差点名は?」の答えは「稲荷口交差点」ということがおわかりいただけるだろう。奥側の歩道橋の名前は、横断歩道の先まで歩けば、それが「市場横断歩道橋」であることが掴める。そして両方の結果から、この辺りが稲荷と市場の境界であることが読み取れる。
さらに目を凝らせば、国道56号のマークを頂部に記した距離標が建てられていることに気付く。「高知まで281km」と書かれている。

国道56号の起点が高知で終点が松山であることは知っているのだが、そういや総長は何kmなんだろう?この疑問を解決するには、きっと反対車線側に渡れば良いはずだ。こっち側に距離標があるんだったら、向こう側にも同様のものがあるはずだ。
この想像は間違いではなかった。「松山まで13km」と書かれた距離標が建てられている。

「そうか。総長は281+13=294km。なるほどね…」
と納得する。しかし、それが本当に正しい答えなのか気になってくる。何かが引っかかるのだ。
「どれどれ…」と、インターネットで国道56号の総長を調べてみる。
やはり、疑問の解決に酔いしれた至福の時間は束の間だった。「総延長345.4km、……、現道296.7km」と書かれている。ん?数字が違う!しかも、総延長とか現道とか、耳馴染みのない言葉も出現している。この区別はいったい何なのか!
どうにも知らないことが多すぎる。更に調べていくと、「総延長≧現道」であることがわかる。
国土交通省道路局の「道路統計年報」などに目を通すと、「道路実延長」は「高速自動車国道を除く道路の総延長から重用延長、未供用延長及び渡船延長を除いた延長をいう」と定義されている。いかん!また「重用延長」、「未供用延長」、「渡船延長」とか今迄見たことも聞いたこともない言葉が出てくるじゃないか。泥沼だ。
「重用延長」は、上級の路線に重複している区間の延長のことで、平たく言えば、高規格道路(高速道路並みの仕様の道路)と重複している区間、例えば大洲市内とか宇和島市内のバイパス部分を想像すれば良さそうだ。
「未供用延長」は、路線の認定の告示がなされているが、まだ供用開始の告示がなされていない区間の延長らしく、物理的に道は出来ていたとしても、「新しく設けた部分を供用開始します」と宣言しない限りは、その区間は実延長距離に含めずという、いわば管理上の話らしい。
「渡船延長」は、海上、河川、湖沼部分で渡船施設があり、道路法の規定に基づき供用開始されている区間の延長。愛媛県民にとって一番わかりやすい例は、松山市の三津~港山の「三津の渡し」だろう。これは国道の例ではないのだが、延長80mの渡船が松山市道(高浜2号線)の一部となっている。伊予市にも、ましてや国道56号にも渡船延長は存在しないのだから、これについての深掘りはよしておこう。
ともかく、「345.4-296.7=48.7km」という48.7kmの差の部分、そして先ほど得た答「294km」と「現道296.7km」の差分2.7kmは具体的にはどこで、何が差を生み出しているのか。
果てしなく謎が謎を呼ぶ。だが、どう考えても伊予市内にその差分要素がありそうには思えないので、今回のところは深追いせず、今後の謎解きの愉しみとして取っておこう。
今でこそ、信号機の脇に「稲荷口交差点」と書かれた表示板が取り付けられているのだが、おぼろげな記憶によれば、確か、以前はこの交差点を「めじろ交差点」と呼んでいたはずだ。「この『めじろ』っていったい何なん?鳥のメジロか?」と不思議を抱いていたのだ。

1990年代の住宅地図を見ると、現在のJAルミエール伊予の斜め向かいに、「御食事処仕出し・めじろ」という店舗の存在が見える。特定の店舗の名前が交差点名にまで発展したのか。いやいや、そうではなかろう。
更に古い地図をあたってみる。明治時代の地図を見ると、「銘白(めしろ)」という字(あざな)を見つけることができる。そう。「めじろ交差点」は、ちゃんと地名に由来していたのだ。
現在、伊予市(だけじゃなく殆どの市町村)の地名は、大抵は市場とか稲荷といった大字(おおあざ)で示され、それよりも細かい区域を表す小字(こあざ)を使用するケースは極端に少なくなっている。「めじろ」という呼称も、殆どの人が認識の外にあるだろうし、知っていても役に立つことなんてまずないだろう。しかし、地名というものはその土地の特性を如実に表すことも多く、地理好きの渡しなんかはとても愛しい存在なのだ。このような絶滅危惧種的な地名への気付きも、道を探訪することの一つの醍醐味なのである。
このように、その気になって訪ねれば、道というものは色んなことに気付かせてくれるものだ。見慣れた景色の中には、知ってるようで知らないものがいっぱい転がっている。それに注意の目を向け、少し穿ってみるだけでも教養は格段に広がってくる。
目的地への移動のために車でさっと通り抜けるだけの道も、じっくり眺めてみると意外と面白いもので、色んな発見があり、きっとあなたの学びに役立つはずである。たまには歩くスピードで暖かい眼差しを向けてみてはいかがだろうか。
いかん、いかん。今回は、道に関するガイダンス的なことを書こうと思ったのに、国道、しかもその一部分だけにしか踏み込むことができなかった。この調子でいくと、道について語るだけで1年ぐらいかかってしまいそうだ。寄り道・足踏みはほどほどにしておかなければ。
ということで、次回からは、もう少し掻い摘んで話を進めていくことにしよう。
◆お店の詳細◆
店名:こたろう博物館
住所:愛媛県伊予市灘町60-3
電話:(非公開、詳しくは店頭で)
営業時間:10:00~19:00
定休日:火・水曜日(その他不定期休がありますので詳しくはホームページ等のカレンダーでご確認ください)
◆「伊予市ガイド vol.120 第10回 橋を眺める~何かしらを跨ぐ路(みち)-(4)
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/72993
◆「伊予市ガイド vol.117 第9回 橋を眺める~何かしらを跨ぐ路(みち)-(3)
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/71897
◆「伊予市ガイド vol.114 第8回 橋を眺める~何かしらを跨ぐ路(みち)-(2)
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/71175
◆「伊予市ガイド vol.111 第7回「橋を眺める~何かしらを跨ぐ路(みち)-(1)
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/70419
◆「伊予市ガイド vol.108 第6回 地下を潜る路]
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/69458
◆「伊予市ガイド vol.105 第5回 川を堰き止めるものを訪ねる]
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/68618
◆「伊予市ガイド vol.102 第4回 水を求めて~川を見つめる(2)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/67646
◆「伊予市ガイド vol.99 第3回 水を求めて~川を見つめる(1)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/66679
◆「伊予市ガイド vol.96 第2回 水を求めて~ため池を眺めてみる」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/65665
◆「伊予市ガイド vol.93 第1回 農村風景を眺める」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/64697
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