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伊予市パーフェクトガイド

伊予市ガイド vol.105【こたろうの『伊予市、ナニミル?ナニヲシル?』】第5回 川を堰き止めるものを訪ねる

ようおいでたなもし、伊予市パーフェクトガイドの世界へ~♪~♪~♪

第105回目は、伊予市にある「こたろう博物館」の館長であるいせきこたろうさんの『伊予市、ナニミル?ナニヲシル?』シリーズ第5回目です♪

 伊予市にはざっくり数えて290の川がある。といっても、何等かの名前を持つものを数え上げただけなので、名無しの溝みたいなものを加えていけば、更 にその数は激増するだろう。

 

 だから全ての川を網羅して巡るなんてことはしない。ある程度、川の位置関係や流れの状態を確認することができたならば、次はその川に存在するものに目を向けることに重きを置いていきたい。

 

 今回は「川を堰き止めるもの」、平たく言えば「ダム」を追っかけてみることにする。

 

水を湛えるもの~ダム

 一口に「ダムを巡る」と言ってみたものの、伊予市内にダムと呼べるものが存在するか?これが問題である。

 大谷池がアースダム、フィルダムといった形式のダムであることは既に述べた。この定義に従えば、三秋の大池などの風光明媚な「ダム」をある程度指折り数えることができる。しかし「××池」ではなく、出来れば「××ダム」という名前を有するものを求めたい。

 だが、いくら伊予市内を隈なく巡ったところで、水を湛えるダムなんてものは見当たらない。伊予市の水源地をチェックしてみても、高瀬・宮下・八倉の水源地はあっても、その近傍にダムが見つかるわけでもない。

 

水を湛えるもの~堰

 然も有らば、作戦を少々変えてみようか。「ダム」という名称にこだわらず、「川を堰き止め、流れる水を調整する」という機能を持つものを探す。そうすれば、「堰(せき)」とか「水門」といったものが対象に加わり、広がりを見せてくれそうだ。これに「水を常時溜めるもの」という条件を加えれば、求めるべきは「堰」となってくる。

 ここで冷静に考えてみる。堰とダムの違いって何だろう?と。感覚的には、その規模感の違いなのだが、一般的には、どうやら堰堤の高さによって区別されているようだ。15m以上の高さがあるものをダム、それより低いものを堰と呼ぶらしい。

 注意深く川を眺めてみると、中山川、上灘川、森川など、随所で堰の姿を確認することができる。規模感はともかく、ダムらしい趣がそこそこ味わえる。

伊予市下唐川 森川

 この写真は、森川の伊予市下唐川辺りに設けられた堰堤である。落差は2m程度であろうか。「鮎返滝」という名前で呼べそうな「滝」らしい景観も、一応は楽しめる。

 加えて、堰堤を自然石の組み合わせで造っているあたり、自然景観を損ねないようにという配慮がくみ取れて好感が持てる。

 堰のある風景巡りというのも捨てたものじゃなさそうだ。しかし、如何せん、その正式名称を指し示す証拠たるものがなかなか見当たらないのが悔しいところだ。他人に語る際、「どこそこの川の、あそこらへんにある堰」といった漠然とした説明、あとはGPSの緯度経度情報で示すしかない。通称や俗称で構わないので、ネームプレートみたいなものが設置されていれば良いのだがなぁ。

土砂を堰き止めるもの~砂防ダム

 冒頭で「伊予市に『××ダム』なるものは存在しない」みたいなことを述べたが、砂防ダムを追えば、その説をひっくり返すことができるのではないか。

 

 そもそも砂防ダムというものは、山地からの流出土砂を貯めるためのものであって、豪快に水を放出する様を眺めることができるわけでもなく、周囲に親水公園なるものを設けるような憩いの場として活用されるわけでもない。

 砂防ダムは、私たちがレジャー目的でしばしば足を運ぶ「ダム」と形状的には同じであれども、根本的に目的が異なる。大雨で河川になだれ込んだ土砂を貯留し下流への持ち出しを抑制する。あるいは、大雨で急流になった河水が山腹を削り取るのを、土砂を貯め込むことで抑制する。いわば土砂災害を防ぐための黒子的な存在なのである。

 土砂を堰き止めるのが主目的なので、放流ゲート等のかっこいい設備があるわけでもなく、至ってシンプルな出で立ちになってしまう砂防ダム。

 そのためか、砂防ダムが鑑賞されるものになることはほとんどない。ここで「ほとんど」と述べたが、一部例外はある。重信川では、白猪谷堰堤なんかは国土交通省四国地方整備局から「SABOカード」なるものが発行されていて、それなりに鑑賞の対象として楽しめる場所になっている。

 それはさておき、一般的には目立つはずもないであろう砂防ダムの中から、敢えて「伊予市の中で堤が一番美しく見える砂防ダム」なるものを選んでみたい。

中山町 肱川支流中山川の支川・大木谷堰堤

 その気になれば、伊予市内でも数多くの砂防ダムを目にすることができる。しかし、大抵の砂防ダムは薄暗い谷底や草の藪に囲まれながら健気に頑張っており、その雄姿を誇らしげに見せたりはしない。「美」を求めるべき砂防ダムは果たして存在するのだろうか。

 

 私は一推ししたいのは、中山町の中山川支川・大木谷に設けられた堰堤である。この堰堤を推す理由は、その堰堤下流面の地肌に自然石をあしらい、しかも正方形ではないけれども市松模様っぽく色の濃淡をつけているところ。ダム堤全体の姿を下流側の遊歩道から一望できる点も評価したい。僅かな水量ではあるが、ダムの底水を小瀑といった感じで落としているのも良い感じじゃないか。

 

個性ある砂防ダムにも出会える

伊予市下唐川 森川水系水口谷の砂防ダム

 一見、何の変哲もない砂防ダムに見えても、近付いてよくよく眺めてみると面白い光景に出くわす…なんてことがある。

 伊予市下唐川の水口谷に設けられた砂防ダムには、なんと天端にモノラックの軌道が敷かれているのだ。

 川向かいは木々が蔓延っていて農園らしきものは見当たらない。以前は農地が広がっていたものか、あるいは、この木々を潜り抜けたところに農園が広がっているのだろう。いずれにせよ、収穫した作物を運搬するのには難儀しそうな場所だ。そこへ、ちょうど良いあんばいで砂防ダムが造られたので、モノラックの軌道面としてダム堤をちゃっかりと流用させてもらった、といったところだろうか。

 伊予市内、いや愛媛県内に砂防ダム数多あれども、堤体上部をモノラックが走るダムは、おそらくここぐらいだろう。これだけでも珍景なのだが、農産物を運搬走行する光景をリアルタイムで見られたら、それこそ珍景中の珍景といえよう。

 

砂の流出を抑制するもの

伊予市三秋 森川水系荒谷川

 ダムから、ちょっと視点を変えてみよう。

 

 上の写真は、もはや「溝」と呼んでも差し支えないほどの小河川。本来、眺めて楽しむような川ではない。だが、川端の道を歩いていてふと気づく。何なんだ、この階段状の河床は? 数メートルごとに1段ずつ、規則的に持ち上がっている。これが延々と続いている。形的には複数のダムが連続しているようにも見える。無性に興味が湧き上がってくる。

 このように何段もコンクリート堤が連続する場所は滅多に見られない。棚田のようでもあり、ある意味美しい。

 なぜこんなに多段構成になっているのか。それにはちゃんと理由がある。これは砂防目的ではない。勾配のある河川の場合、流路が直線状であれば、大雨で上流に土砂が流入した場合、その土砂は一気に下流へと運ばれてしまう。階段状にすることによって、流路勾配を緩くしているのだ。勾配を緩くして流速を落とすことで、土砂が下流へと流されるのを緩和するというものだ。

 このテラスのような構造には、ちゃんと意味があるのだ。いやぁ、土木の世界もいろんな知恵が詰まっているもんだなぁと、あらためて感心させられる。

 

  ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  

 

 今回は「川を堰き止めるもの」を中心に、伊予市で見られる風景を紹介した。

 見方を少し変えるだけで、色々と楽しめる「川」。たかが「川」、されど「川」。「川を巡る旅」まだまだ面白さが隠されている。

てなわけで、次回ももう少しだけ川を掘り下げて眺めてみたいと思っている。

◆お店の詳細◆

店名:こたろう博物館

住所:愛媛県伊予市灘町60-3  

電話:(非公開、詳しくは店頭で)

営業時間:10:00~19:00

定休日:火・水曜日(その他不定期休がありますので詳しくはホームページ等のカレンダーでご確認ください)

HP: http://kotaro-iseki.net

FB: https://facebook.com/kotaro-MLA

伊予市「こたろう博物館」館長いせきこたろうさんの【こたろうの『伊予市、ナニミル?ナニヲシル?』】連載紹介♪

◆「伊予市ガイド vol.102 第4回 水を求めて~川を見つめる(2)」

https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/67646

◆「伊予市ガイド vol.99   第3回 水を求めて~川を見つめる(1)」

https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/66679

◆「伊予市ガイド vol.96   第2回 水を求めて~ため池を眺めてみる」

https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/65665

◆「伊予市ガイド vol.93   第1回 農村風景を眺める」

https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/64697

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※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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