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伊予市パーフェクトガイド

伊予市ガイド vol.111【こたろうの『伊予市、ナニミル?ナニヲシル?』】第7回 橋を眺める~何かしらを跨ぐ路(みち)-(1)

ようおいでたなもし、伊予市パーフェクトガイドの世界へ~♪~♪~♪

第111回目は、伊予市にある「こたろう博物館」の館長であるいせきこたろうさんの『伊予市、ナニミル?ナニヲシル?』シリーズ第7回目です♪

 前回は「地下を潜る路(みち)」ということで、伊予市内にあるトンネル・隧道を幾つか巡ってみた。この流れで道の話をもう少し続けてみよう。

 橋も道の一部。これもまた、川や峡谷などを自動車等で跨ぐことを可能にするもの、迂回等を避け移動時間を短縮するためのものであって、わざわざ立ち止まって眺めるような観光対象ではない。

 しかし、構造物の全容を一望できるという点では、トンネルとは様相が大きく異なる。モノによっては観光対象となりうる。錦帯橋(山口)のような眼鏡橋、大分県宇佐市で見られるような石橋、祖谷渓(徳島県)の蔓橋のような吊り橋…。枚挙いとまない。古めかしい橋だけでない。しまなみ海道のような近代橋も、観ていて飽きない。吊り橋から斜張橋まで多様な橋が連続し、人工物ながら瀬戸内海の絶景と調和した絶景を作り上げている。

 そう、橋はれっきとした観光の対象物なのだ。ということで、今回は、伊予市内の橋を巡りに張り切ってさぁ出陣しよう!

 そう意気込んでみたものの、さて、伊予市内に眺めて楽しめるような橋は果たして存在するだろうか。

犬寄トンネルの北側~犬寄大橋

 前回、犬寄トンネルを訪ねた。トンネルをわざわざ眺めるくらいなら、ついでといっては何だが犬寄大橋も見ておこうか。

 これは松山から国道56号を南下したとき、犬寄トンネルの手前に架かる橋だ。昭和40年(1965)に国道56号が一般国道に指定され、昭和42年(1967)から犬寄峠周辺の改築工事が始まった。昭和44年(1969)に犬寄トンネル、翌45年(1970)に犬寄大橋が完成した。

 長さは高々105m。それほど長い橋ではない。国道を走っていても、橋を通行していることを意識しない人もいるだろう。例え気付いたとしても、そこらへんの川や谷を跨ぐ橋と何も変わりない「フツーの橋」と感じるだろう。でも構造的に見ると、上路式のトラス橋。朱色に塗装された鉄骨の幾何学的な構造美は、なかなか美しい。

 トラス橋自体は、全国的に見て、いや県下で見ても珍しい類ではない。だが行動範囲を伊予市に限定したときには、珍しい部類に入る橋である。

 こんなことを書いたのだが、犬寄大橋の姿をさてどこから眺めようか。個人的には、ホテル山水の入り口からのアングルが一番お気に入りである。場所が場所だけに、一人で写真を撮っていると「こいつ、盗撮でもするつもりなんか」と思われそうだし、車で進入してきたカップルと視線が合ったりすると何となくバツが悪い思いをしてしまう。だから、他人には「あそこ、橋を眺めるのにええ場所よ」なんて推挙するわけにはいかない。

 それじゃどこから眺めるのが良いか。側面がダメなら、橋の上方向か下方向か、選択肢はそれしかない。

 まずは、下側に回り込んでみよう。森川支流長谷川に沿って狭苦しい道を走ると、橋の直下に辿り着くことができる。

 橋はここから約40m高いところを通っている。近いっちゃ近いが、遠いっちゃ遠い、微妙な距離感だ。

 しかも、橋なんてものは、真下から眺めても美しくも面白くもない。走行中の車に弾かれた小石とかが頭上から降ってきてもいけないので、橋の姿が綺麗に見えそうな角度の場所を求めて移動してみる。

 うーん。思ったよりもパッとしない。橋の下部は、雑木林や竹林が生い茂り、橋全体を一望するアングルを探し出せない。

 ならば作戦変更だ。下がダメなら上に回ろう。とはいっても、上方向から眺められそうな場所探し、これがなかなか至難の業だ。ドローンのような小洒落な道具を持っていればそれほど悩むこともないのだろうが、生憎そのような近代装置は持ち合わせいない。「いやいや、そんなものに頼っちゃいけない!肉眼で見るからこそ、景観ってものは楽しめるってもんだ」と、貧乏人の僻み・意地で、地形図とにらめっこしながら候補地を幾つか選ぶ。

 ということで、平岡へと向かう県道225号を走ることで、まずまずの観望ポイントを見つけることができた。一般的なトラス橋と異なり、一ヵ所から三本の梁が扇状に持ちあがっている姿が印象的だ。うん、美しい。

 もう少し橋の鉛直方向に寄れる場所、視界が開けた場所が申し分ないのだが、地図を目で追う限り狭隘な農道を進まねばならない様子で、更なる観望スポット探しはどうにも重い腰が上がらない。

犬寄トンネルの南側~犬寄大橋

 道路橋の次は鉄道橋だ。

 鉄道橋こそ、連続桁のトラス橋など、眺めていて飽きない橋が多いものだが、いかんせん、伊予市には川幅が広い河川が見当たらない。

 といってもそれは正当な理由にはならない。川幅が狭いところでも、名橋と呼べる橋は実在する。

 例えば、松山市の伊予鉄石手川橋梁。

 明治25年(1982)に建造されたトラス橋で、橋脚は煉瓦造り。現役最古ということで、土木学会選奨土木遺産にも指定されている。橋上に石手川駅が設けられているなどのユニークさも持ちあわせている。

 これに匹敵する鉄橋はないものか。

 まず、JRの線路の方を攻めてみる。そういや、犬寄トンネルの中山側に抜けたところにも橋があったよなぁ。跨ぐ川も肱川支流中山川だし、川幅はまあまあ広いよな。そんなことを考えながら、現地に向かってみる。

 第1中山川橋梁。長さは32.63m。

 さて、この橋に推挙すべき特徴を見出せるだろうか。

 橋の建造年は詳しく調べきれてないのだが、犬寄トンネル開通の5年後、だからその前後だろう。たぶん昭和51年(1976)の完成だったはず。約50年前だから、古いと言えば古いが、遺産に認定するほどの古さではない。レトロ橋とは異なる視点で「良いとこ探し」をしなきゃならない。

 ・欄干が線対称に並んでおらず、いびつな形態になっている。

 ・欄干がめちゃくちゃ分厚い。

 ・橋上で線路が分離している。(転轍機が橋上にある。)

 列挙したところで、皆さんのハートをグッと掴むようなアピールポイントはなさそうだ。それでも他の橋では見られないような特徴をそれなりに持っている。これはこれで眺める価値があるはずだ。

 

 「映える鉄橋」となれば、双海地区の方が、圧倒的に分がある。

複数の橋脚を持つ割合長大な鉄橋があり、それを眺望できるポイントが幾つか見出せる。しかも、背景に海や空など当て込んだカメラアングルを探しやすい。青空・海との取り合わせも良いし、夕焼けや走行する列車との組み合わせの風景は旅情を掻き立てられる。インスタ映えもするだろう。

 ほんとなら、ここでその実例の写真を載せるべきなのだろうが、フォトコンなどで多くの入選作品が生まれ、その景観は衆知を集めているだろうから、ここでは敢えて載せない。というか撮影の技量不足で、自慢できるような写真は全く撮れていないだけ。

 観察と記録に重きを置く僕は、もっと地味なところを攻めたい。伊予地区がおざなりになってもいけないということで、次は森川に架かるJR「愛ある伊予灘線」の鉄橋を眺めに行く。

 プレートガーダー橋という類の橋。ご覧の通り、そこに構造美を求めるような形態の橋でもなく、ご覧の通り、この橋全体をアングル内に収めたところで「映える」風景にはなりそうもない。

 建造年代も昭和45年(1970)だから、レトロというわけでもない。

 ただ、こちらも「良いとこ」はある、何といっても、「線路の直下を目と鼻の先ぐらいの距離で撮影できる」、この点を評価したい。

 保線用の通路は、点検作業員の足元の安全確保を図るため、割と目が細かい網板が敷かれている。一方、列車が通行する方は一定間隔で枕木が敷かれ、両方のレールの間に、これも点検作業のための足場的な通路が設けられている。

 このように、鉄橋の構造について細部の観察ができるのだから、ありがたいことじゃないか。

 列車との取り合わせの写真を撮るのにも良さそうなポイントだ。頭上5~6mのところを列車が走るのだから、迫力満点である。といっても、列車走行時には、通過の勢いで何が吹き飛ばされてくるかわからないので、みだりに線路に近づくのは厳禁である。観察時は、時刻表に細心の御注意を。

 

 鉄橋といえば、もひとつ大好きなものを一つ。伊予鉄道郡中線にある鉄橋。長さは2、3mしかない。果たしてこれを橋と呼んで良いのかと考え込んでしまうほどのショートスケール。

 良いのだ。跨ぐものが溝でも橋は橋である。

 電車と比較したときのこのスケール感の小ささがたまらなく愛しい。こんなちっぽけな橋であっても、私たちの暮らしに大切な交通インフラをつつましく支えているのである。

 橋のことはまだまだ書き足りない。あんまり詰め込み過ぎても消化不良になってしまうし、何より連載するためのネタが尽きてしまうので、今回はこのくらいにしておこう。

◆お店の詳細◆

店名:こたろう博物館

住所:愛媛県伊予市灘町60-3  

電話:(非公開、詳しくは店頭で)

営業時間:10:00~19:00

定休日:火・水曜日(その他不定期休がありますので詳しくはホームページ等のカレンダーでご確認ください)

HP: http://kotaro-iseki.net

FB: https://facebook.com/kotaro-MLA

伊予市「こたろう博物館」館長いせきこたろうさんの【こたろうの『伊予市、ナニミル?ナニヲシル?』】連載紹介♪

◆「伊予市ガイド vol.108 第6回 地下を潜る路]

https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/69458

◆「伊予市ガイド vol.105 第5回 川を堰き止めるものを訪ねる]

https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/68618

◆「伊予市ガイド vol.102 第4回 水を求めて~川を見つめる(2)」

https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/67646

◆「伊予市ガイド vol.99   第3回 水を求めて~川を見つめる(1)」

https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/66679

◆「伊予市ガイド vol.96   第2回 水を求めて~ため池を眺めてみる」

https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/65665

◆「伊予市ガイド vol.93   第1回 農村風景を眺める」

https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/64697

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※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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