伊予市パーフェクトガイド
ようおいでたなもし、伊予市パーフェクトガイドの世界へ~♪~♪~♪
第203回目は、伊予市にある「こたろう博物館」の館長であるいせきこたろうさんの『伊予市、ナニミル?ナニヲシル?』
シリーズ第38回目です♪ お楽しみください!
運動不足解消のため登山でもしよう!そう思いついた時が時計の針が10時を回った頃ともなれば、どうにも行き先の選択に迷ってしまう。
勝山(松山の城山)とか大峰ヶ台(松山市総合公園)といった道後平野内の小山に登る選択アリだが、いかんせん、それは登山というよりはウォーキングに近い。
メタボリックシンドロームで膨れ上がった下腹部を凹めるには不十分なプランだ。もう少し、足腰に負荷をかけるような山登りをしたいと考えてしまう。
天気が良ければ、皿ヶ峰、石鎚山、四国カルスト周辺の山へと繰り出したくもなるのだが、登山口まで2時間近く車を走らせるのは億劫だし、昼過ぎに登山開始となり、山頂での昼食が遅くなってしまう。
休憩時間も加味すると下山時刻が夕方近くになってしまう。それじゃ安全確保の意味でも好ましくない。
伊予市内にも障子山・秦皇山・牛之峰といった標高1000m弱の割と高い山があるので、純粋に運動不足解消だけを目的にするならばそれを選択肢にすれば良いのだが、どうせ登るならば、山頂からの眺望が良い山、車道が通じていない山、登山の途中で多くの草花に出会える山といった条件をクリアできる山を目指したい。
こんな欲深な僕を満足させる山を、伊予市内で見出せないか。
実は色んな意味で満足度の高い山が身近な所にある。
それが白滝山・権現山だ。
白滝山・権現山といっても読者の皆さんはピンと来るだろうか。
ガイドブックに載っているわけでもなく、知名度は高くない。いや。知名度などほとんど無いに等しい。場所を一言で説明すれば、伊予市両澤(りょうざわ)と砥部町大角蔵(おおかぐら)の境界に聳える山々だ。この説明で、フムフムと納得されるだろうか。
標高も500m前後で、さほど高山というわけでもなく、伊予市の市街地から山を仰いだところで谷上山から行道山の山並みに遮られ、そして背後に聳える障子山の緑に溶け込んでしまい、「あれが白滝山、あれが権現山」などと指差して説明することもできない位置関係にある。
もし山容を確かめたければ、砥部町に足を運べばよい。観望地点としては、陶街道ゆとり公園(砥部町千足)あたりを選べば良いだろう。
西を仰げば、辺りの山々よりひと際高く、綺麗な三角錐に近い形の障子山が天を突いている。
そこから視点を右に移していけば、白滝山から権現山へと連なる山々を確認することができる。

写真:砥部町ゆとり公園から西方を望む
国道56号を南下し、犬寄峠上り口・大平から県道53号・大平砥部線へと左折する。
下唐川・上唐川・両澤の集落を通過し、くねくねと続く道を上っていけば、やがて砥部町との境界をなす鵜崎峠へと至る。この峠のやや手前に登山口がある。
といっても、登山ガイドで紹介されるような山のような案内標識は一切見られないし、トイレや駐車場があるわけでもない。
車両通行に支障なさそうな場所に路駐して歩き始める。
歩き始めてすぐのところに、携帯電話の基地局らしき鉄塔が聳えている。
その鉄塔を左側に巻いて進んでいく。鉄塔近くの登山道は木々の刈り込みが十分になされておらず、少々藪っぽいのだが、50mも進めば自然林の中に割としっかりとした登山道が続いている。
とはいえ、鎖代わりのロープを手繰りながらの岩場を登るような場所もあるので、油断はならない。サンダル履きで気軽に登るような場所ではないので注意が必要だ。
約15分で、見晴らしのよい肩部に着く。見晴らしがよいと言っても、伊予市・砥部町に跨る鵜崎地区の集落が見渡せるぐらいではあるが。
ここには、小さな瓦宮が置かれている。どんな神様を祀っているのかは定かでないが、とりあえずは手を合わせ、道中安全を祈願する。
なだらかな尾根を進んでいく。やがて急勾配の道へと変わる。この急勾配を登りつめれば、白滝山の山頂だ。
白滝山は標高503.8メートル。山頂には中世城郭である白滝城が築かれていたようで、伊予市の埋蔵文化財法包蔵地の一つとされている。
鎌倉時代、河野氏の臣・越智氏が城主となり、次いで中村氏が継いだという。
山頂部は城跡らしく、20mほどの削平された空間が広がっている。
ここに3面の郭が設けられていて、その下3ヵ所に堀切があるというのだが、この分野に詳しくない僕には、どこに何があったのか皆目見当がつかない。
白滝とはいうが、滝らしきものは見当たらない。
まあ、山に蓄えた水が湧き出て流れ落ちるのが滝なわけで、もし滝があったとしても山頂でそれを見られるはずもない。
それ以前にこの山頂部、周りが立ち木で覆われているので、眺望はまったく利かないのだから、見つけようもない。
眺望も利かないし、まだ歩き始めて30分足らずなのでここで長居する必要もない。
一休みして息を整えて、先へと進むことにする。
その後、幾度となくアップダウンを繰り返しながら尾根道を進んでいく。
時折、登山道の左右に景観が開ける。

写真:白滝山~権現山の尾根より砥部町を望む
左側には両澤から上唐川にかけての集落への眺望が開けている。
右側は砥部町の街並みが一望できる。南大友山・北大友山・県総合運動公園にかけての山塊も確認できる。実に壮大な眺めだ。
更に進んでいけば、見晴らし台とも言える岩場に着く。白滝山から約30分の場所だ。
ここからはほぼ360°のパノラマの風景が広がっている。
尾根道から断片的にうかがえた上唐川・砥部の風景だけでなく、先ほど通過した白滝山やその背後に聳える障子山、そしてこれから向かおうとする権現山の姿も眺めることができる。
絶好の休憩場所だ。
見晴らし台の岩場から、岩登りなど少々ハードな歩きをしつつ、約10分で権現山の山頂に着く。
標高479メートルの山頂には、小さな瓦宮が置かれている。
神像等は確認できないが、おそらく石鎚蔵王権現あたりが祀られていて、この山名の由来となっているのだろう。

写真:権現山頂の祠越しに谷上山を望む
山頂部は岩体が連なって露出している。この辺りの低山には見られない珍しい風景である。おそらくこれらは、砥石の原料となる石、粗面岩質安山岩だろう。
東には砥部の砥石山、西には上唐川・両澤の砥石山が見える。この地方で砥部焼が栄えたことの背景が伺えるような気がする。
この風景を眺めていると、近傍を走っている中央構造線までもが目に浮かんでくるように思える。
ここまでで触れなかったが、登山路の脇には、おそらく採石のための試掘跡と思われる場所が随所に見られる。洞窟のように岩場に大きく口を開けた場所もある。砥部焼や伊予砥の歴史を勉強するためにも、この山を隅々まで渉猟したいものである。
さて、この山は山頂部に岩体が露出しているため、視界を遮るような木々は足元より低いところに留まっており、眺望は頗る良い。
西側に目を向けてみる。しばしば足を運んでいる谷上山が屹立している。その先には、伊予市・松前町・松山市西部の街並みが広がっている。
さらにその先には興居島や中島の諸島、そしてはるか彼方の山口県の山まで見渡せる。
実に壮大な眺めだ。時折吹き抜ける風も心地よい。

写真:権現山山頂から北西方向を望む
比較的勾配のきつい山であり、砥石鉱床として価値のある山ということもあってか、ほとんど植林はなされておらず、自然味がたっぷりの山であることも特筆すべきことのひとつである。
5月下旬に登ったのだが、登山路のあちこちで、麓では余り目にしない花々を目にすることができた。
確認できた花々は次の写真通りである。

写真:登山中に見掛けた花々(5月下旬)
以上の通り、白滝山から権現山に至る縦走は、登山口へのアクセスの容易性、眺望、歴史、自然観察、体力づくりなど、様々な魅力を持ち合わせており、どの面も及第点以上がつけられる、実にバランスの良い登山コースだ。
僕の中では、愛媛県、いや、四国の中でも五本の指に入る名山ではないかと思っているぐらいだ。
この記事を読んで、その真偽を確かめるために足を運んでみたいと思われる方もおいでるかもしれないが、その際には事前に地形図をチェックしておくとか、靴や登山着などを万全にするといった準備を怠らないようにしていただきたい。
低山ではあるけれども、滑落のリスクがある場所も随所にあり、軽装でお気軽に足を運ぶところではないことをご承知おきいただきたい。
《参考コースタイム》
登山口→(25分)→白滝山→(30分)→岩場→(10分)→権現山
登山口←(20分)←白滝山←(25分)←岩場←(10分)←権現山
◆お店の詳細◆
店名:こたろう博物館
住所:愛媛県伊予市灘町60-3
電話:(非公開、詳しくは店頭で)
営業時間:10:00~19:00
定休日:火・水曜日
(その他不定期休がありますので詳しくはホームページ等のカレンダーでご確認ください)
◆「伊予市ガイド vol.200 第37回 山を歩く-金松山」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/98507
◆「伊予市ガイド vol.197 第36回 山を歩く-谷上山」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/97590
◆「伊予市ガイド vol.195 第35回 花を愛でる-伊予市の野山へ出向く」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/96736
◆「伊予市ガイド vol.192 第34回 花を愛でる-桜風景を眺める」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/95911
◆「伊予市ガイド vol.189 第33回 樹木を追う-えひめ森林公園を歩いてみる(2)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/94983
◆「伊予市ガイド vol.186 第32回 樹木を追う-えひめ森林公園を歩いてみる-(1)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/94120
◆「伊予市ガイド vol.183 第31回 樹木を追う-天然記念物を眺める」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/93133
◆「伊予市ガイド vol.180 第30回 樹木を追う-メタセコイア」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/92223
◆「伊予市ガイド vol.177 第29回 樹木を追う-ツツジ」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/91044
◆「伊予市ガイド vol.174 第28回 マンホールの世界」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/90133
◆「伊予市ガイド vol.171 第27回 寺に詣でる-(5)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/89039
◆「伊予市ガイド vol.168 第26回 寺に詣でる-(4)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/88085
◆「伊予市ガイド vol.165 第25回 寺に詣でる-(3)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/87142
◆「伊予市ガイド vol.162 第24回 寺に詣でる-(2)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/86275
◆「伊予市ガイド vol.159 第23回 寺に詣でる-(1)」
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◆「伊予市ガイド vol.156 第22回 神社に詣でる-(6)」
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◆「伊予市ガイド vol.153 第21回 神社に詣でる-(5)」
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◆「伊予市ガイド vol.149 第20回 神社に詣でる-(4)」
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◆「伊予市ガイド vol.147 第19回 神社に詣でる-(3)」
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◆「伊予市ガイド vol.144 第18回 神社に詣でる-(2)」
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◆「伊予市ガイド vol.141 第17回 神社に詣でる-(1)」
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◆「伊予市ガイド vol.138 第16回 石造物を訪ねる」
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◆「伊予市ガイド vol.135 第15回 道を訪ねる-(5)~いにしえの道」
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◆「伊予市ガイド vol.132 第14回 道を訪ねる-(4)~その他の道」
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◆「伊予市ガイド vol.117 第9回 橋を眺める~何かしらを跨ぐ路(みち)-(3)」
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◆「伊予市ガイド vol.114 第8回 橋を眺める~何かしらを跨ぐ路(みち)-(2)」
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◆「伊予市ガイド vol.111 第7回 橋を眺める~何かしらを跨ぐ路(みち)-(1)」
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◆「伊予市ガイド vol.108 第6回 地下を潜る路」
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◆「伊予市ガイド vol.105 第5回 川を堰き止めるものを訪ねる」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/68618
◆「伊予市ガイド vol.102 第4回 水を求めて~川を見つめる(2)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/67646
◆「伊予市ガイド vol.99 第3回 水を求めて~川を見つめる(1)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/66679
◆「伊予市ガイド vol.96 第2回 水を求めて~ため池を眺めてみる」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/65665
◆「伊予市ガイド vol.93 第1回 農村風景を眺める」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/64697
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