伊予市パーフェクトガイド
ようおいでたなもし、伊予市パーフェクトガイドの世界へ~♪~♪~♪
第168回目は、伊予市にある「こたろう博物館」の館長であるいせきこたろうさんの『伊予市、ナニミル?ナニヲシル?』シリーズ第26回目です♪
寺に詣でるシリーズ第4回目。
前回までに、栄養寺の参道・山門付近で目にすることができるものについて書き綴ってみた。
今回は、境内地にあるものを眺めていくことにしよう。

山門を潜り、境内に入ると、真正面に本堂が構えている。
ここに本尊の阿弥陀如来が祀られているのだろうが、僕は檀家でもなく、法要等で本堂内に入ったこともないので、内部の様子を克明に記すことはできない。
「拝見させてください」とか「写真を撮らせてください」とお願いするのも、物見遊山が目的ゆえ、余りにも不躾だ。
僕のモットーというか基本姿勢は、「迷惑をかけないであろう範囲で、そこにあるものを拝見させていただく」である。
ガツガツ食らいつくのは、どうにも性分ではない。とはいえ、本堂の入り口には、御住職のお心遣いで「御自由にお上り下さり御本尊様の御前でお念仏をお称え下さい」という札が立てて下さっているのだから、それほど遠慮しなくても良いのかも知れない。
しかしながら「浄土宗寺院なので『南無阿弥陀仏』を唱えればいいんよね」というくらいの理解しかしていない僕は、やっぱり気がひけてしまう。
もっと勉強してからお伺いすることにしたいと思ってしまうのだ。
ということで、堂前、堂内に掲げられた「栄養寺」「無量寿」と記された扁額を眺めさせていただき、外側から、手を合わせて心の中で念仏を唱えさせてもらうくらいに止めておくことにしておく。

本堂にお参りして、ふと振り返ったとき、山門の脇に「平成五年四月吉祥日 奉修 山門楼上撥遣釋迦牟尼佛建立」と刻まれた石柱が立てられていることに気づいた。
こんな石碑あったっけ。今まであまり気にとめていなかった。
「ああ……。山門改修時の記念碑かなぁ……」と安易に考えてしまったが、だが待てよ。控柱の更新工事が行われたのは、令和2年(2000)年だったはず。
いったい、これは何を示すものだろう?
「山門楼上」に「釈迦牟尼仏」(釈迦如来、お釈迦さん)を「建立」したということだろうか。
しかし「撥遣」という語がサンドイッチされている。
「撥遣」なんて、初めて目にする言葉だ。
「撥遣(はっけん)」とは、読経によって魂を宿らせていた仏像等に、再度読経して魂を抜くことであり、「閉眼(へいげん)」・「お性根抜き」「魂抜き」ともいわれる。となると、「山門楼上」にはおられなくなったということか。「建立」という言葉と相反するではないか。
しかし冷静になって考えてみると、「山門楼上」に宿っておられていた「釈迦牟尼仏」を「撥遣」したことを記念してこの石碑を「建立」したということならば辻褄は合う。きっとそうに違いない。
何気ない石碑であるが、栄養寺の歴史の一断面を切り取る史料といえよう。
あまり文献に現れることがなさそうな情報を後世に伝えるものであり、僕なんかは非常に意義深いものだと捉え、心躍ってしまうのである。
こんな風に勝手に解釈し、納得してみたものの、石碑の側面には
「敬禮天人大覚尊 恒沙福智皆圓満 因圓果満成正覚 住壽凝然無去来」
と刻んでいるではないか。これは大乗本生心地観経というお経に出てくる偈文らしく、釈迦如来に対する回向文で、釈迦如来が安置される際に唱えられるものらしい。
「それじゃ違うかー。やっぱりここに御宿りになってるのかー」
とミルクボーイの漫才のように、両立しない結論が行ったり来たりしてしまうのである。
結局正確なことは分からず終いなのだが、新たな知識も得られたことだし、良しとすることにしよう。とにかく、石碑に刻まれた文字を拾い上げることは面白く、為になることなのだ。そのことが少しでもお伝えできたなら本望である。
建造物繋がりで、山門を潜ってすぐ右側に建てられている観音堂についても少し触れておこう。とはいっても、この堂内にも足を踏み入れたことはなく、詳しいことを知っているわけではない。
伊予市誌によれば、ここには西国三十三観音霊場の札所の写しの像三三体を安置しているという。西国三十三観音霊場といえば、大阪、京都、奈良、和歌山、兵庫、滋賀、岐阜の2府5県に点在する33の寺院を「札所」とする、日本最古の巡礼路だ。写しを祀るのではあるが、一般的に、本場の霊場を巡礼したのと同じぐらいご利益が得られるといわれている。
ご利益を手軽に与かりたいならば、お立ち寄りなさってはいかがだろうか。
山門の北側には、鐘楼、いわゆる鐘撞き堂が設けられている。

写真:三部経一字一石塔
ここに掛かっていた梵鐘は太平洋戦争時の金属供出で政府に献納されたようで、今掛けられているものは、昭和35年(1960)5月に再鋳造されたもののようだ。歴史はそう古くはない。
歴史の深浅は別として、梵鐘もまた多くの文字が刻まれているものであり、僕にとっては魅力的なアイテムの一つなのである。
「南無阿弥陀仏」という文字(名号)が見える。この寺が浄土宗寺院であることを示す。鐘が鋳造された時期と、名号やら題目といったものを照らし合わせると、途中で宗派変更した場合などにその変遷を知るための手掛かり情報になる。
「京都寺町 高橋鐘聲堂 謹鑄」とも彫り込まれている。日本の仏具界では著名な鋳物師・高橋才治郎が設立した「鐘声堂」が鋳造したことを示すものだ。
高橋才治郎の没年は定かでないが、生年は1865年。昭和35年鋳造なら95歳というご高齢の時の作品ということになる。よって、おそらく才治郎本人は関わっていないだろう。
それはさておき、有名どころに鋳造を発注していることから、栄養寺の檀家の地区の経済力が伺い知れるではないか。
この梵鐘の鋳造時に、その世話人や資金を寄進した人物の名前も彫られている。
ここ栄養寺の梵鐘には、当時の総代の名前も彫られている。
その中には「宮内小三郎」「宮内好一郎」「森寅蔵」といった名前も見える。ここ郡中が繁栄していた時代の地元の名士と寺の関わりなども垣間見えるのが面白い。
「栄養寺」シリーズ、次号ももう少しだけ続きますよ。
◆お店の詳細◆
店名:こたろう博物館
住所:愛媛県伊予市灘町60-3
電話:(非公開、詳しくは店頭で)
営業時間:10:00~19:00
定休日:火・水曜日(その他不定期休がありますので詳しくはホームページ等のカレンダーでご確認ください)
◆「伊予市ガイド vol.165 第25回 寺に詣でる-(3)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/87142
◆「伊予市ガイド vol.162 第24回 寺に詣でる-(2)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/86275
◆「伊予市ガイド vol.159 第23回 寺に詣でる-(1)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/85177
◆「伊予市ガイド vol.156 第22回 神社に詣でる-(6)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/84157
◆「伊予市ガイド vol.153 第21回 神社に詣でる-(5)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/82984
◆「伊予市ガイド vol.149 第20回 神社に詣でる-(4)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/82190
◆「伊予市ガイド vol.147 第19回 神社に詣でる-(3)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/81199
◆「伊予市ガイド vol.144 第18回 神社に詣でる-(2)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/80131
◆「伊予市ガイド vol.141 第17回 神社に詣でる-(1)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/79193
◆「伊予市ガイド vol.138 第16回 石造物を訪ねる」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/78092
◆「伊予市ガイド vol.135 第15回 道を訪ねる-(5)~いにしえの道」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/77204
◆「伊予市ガイド vol.132 第14回 道を訪ねる-(4)~その他の道」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/76376
◆「伊予市ガイド vol.129 第13回 道を訪ねる-(3)~市道とか」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/75466
◆「伊予市ガイド vol.126 第12回 道を訪ねる-(2)~そして県道へ」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/74761
◆「伊予市ガイド vol.123 第11回 道を訪ねる-(1)~まずは国道を」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/73821
◆「伊予市ガイド vol.120 第10回 橋を眺める~何かしらを跨ぐ路(みち)-(4)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/72993
◆「伊予市ガイド vol.117 第9回 橋を眺める~何かしらを跨ぐ路(みち)-(3)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/71897
◆「伊予市ガイド vol.114 第8回 橋を眺める~何かしらを跨ぐ路(みち)-(2)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/71175
◆「伊予市ガイド vol.111 第7回 橋を眺める~何かしらを跨ぐ路(みち)-(1)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/70419
◆「伊予市ガイド vol.108 第6回 地下を潜る路」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/69458
◆「伊予市ガイド vol.105 第5回 川を堰き止めるものを訪ねる」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/68618
◆「伊予市ガイド vol.102 第4回 水を求めて~川を見つめる(2)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/67646
◆「伊予市ガイド vol.99 第3回 水を求めて~川を見つめる(1)」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/66679
◆「伊予市ガイド vol.96 第2回 水を求めて~ため池を眺めてみる」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/65665
◆「伊予市ガイド vol.93 第1回 農村風景を眺める」
https://matsuyama.mypl.net/article/iyo-perfectguide_matsuyama/64697
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