まいぷれ五・七・五
(撮影:和夫)
2020年3月の「無人駅句会」は9名が参加しました。今回は東氏が選句した9句の俳句をご紹介いたします。
一年の内で一番寒いのが二月です。季節は早春ですが、風も空気もすこぶる冷たいし、防寒は必須で寒がりやはごろごろに着ぶくれる。そんな二月の夕暮れ頃から観覧車はきらびやかに電飾を灯すのだ。搭乗者もちらほらだろうし、ゆっくりと廻る観覧車と電飾の寒々とした空気感が、「尽くす」という言葉によって臨場感溢れるものにしている。「尽くす」に参りました。
末黒野は野焼きをしたあとの野のこと。野焼きは早春の風物といってもいいだろう。この句はロダンの「考える人」を思うが、焼かれたあとの黒々とした野はどうなるのかと「考える人」のポーズで考えているのだろうか。取り合わせの妙か、気になる句であった。野焼きは蕨(わらび)や薇(ぜんまい)土筆(つくし)などの発育の環境をよくするのだ。
春といってもまだまだ寒い、火が恋しいだろう。火鉢を抱えて考えている、「なんてあいつは潰しのきかない奴なんだ」と。この句少々川柳っぽく、俳味があってなかなか面白い半面手練れ(てだれ)ではある。また、句材としての「火鉢」は今日、古いと思う。解るのは団塊の世代までだろう。
万華鏡は決して早く廻さないから、「ゆっくり」は説明してしまった感が強い。下五の「春の昼」が長閑さ(のどかさ)を貯めていて座りが良いだけに、惜しい句です。推敲の値打ちあり。万華鏡ですが、小学生の頃に授業で工作した記憶があります。微(かす)かに廻しても模様が崩れてファンタスティックであったなあ。
春になると、小川であろうと大河であろうと、土手沿いには菜の花がいっぱいだ。川のどの当たりか解らないけど、百歩だと川幅はそこそこだな。石手川は松山市にある川で、全国的知名度は薄いが松山では文化度の高い川である。「百歩」がいいな。
菜の花畑の中に入ると、匂いと黄色い世界に浸った感じ。菜の花が風に揺れて陽を反射させて、鏡の国に誘われるかの如く錯覚したのか、メルヘンチックだ。幾つになっても少年少女の気分で。
この句の気になる所は「離れぬ」の「ぬ」だ。ここは断然「離れず」です。「付かず離れず」で句のリズムも良くなるし、柴犬の従順さも読み取れる。そこで「夜寒」が効いてくるのです。「かな」の切れもいいと思います。
この句は「鮮やか」が句を台無しにした。取れたての若布を湯通しすると鮮やかな緑になるのは重々承知するところです。言い過ぎはダメです。我慢我慢です。ここは推敲が必須です。余談ですが、先日、湯通しした取れたて若布を頂きました。鍋にして食しました。思いっ切り旨かったです。
やや波のある群青色の冬海を右手に見ながら、内科を受診すべく車を走らせている。掛かり付けの診療所だ。体のことで何処か気になるのか鬱々とした心持ちである。まだまだ此処でくたばる訳にはいかない。年齢に見合った生き方へと軌道修正を図らないとね。実際この冬海は瀬戸内海だが、日本海だと句の重圧はもっと重いだろうな。読み手が何処の海を思うかだね。
(東英幸 記)
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