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まいぷれ五・七・五

「無人駅句会」2024年8月だより

 2024年8月の「無人駅句会」は 11名が参加しました。今回は東氏が選句した 11句の俳句をご紹介いたします。

 

                                                                                                           (撮影:和夫)

ああ見えて気遣いの人甜瓜(まくわうり)   日暮屋

甜瓜は此の頃あまり市場に出回らないが、黄色く熟れた甜瓜の食感はほんのり甘くほんのり柔らかく、そしてほんのりとした控えめな香りは絶妙である。これらは普段からさり気なく気配りの出来る人の喩(たと)えにも似る。頑強そうな人から気遣われると、その人の内面を覗いたような気もする。季語「甜瓜」(夏)。

ごろりんと上がり框(かまち)に大西瓜     岡田敬子

 子供の頃、田舎の父や母の郷へいくと土間から部屋への上り口にちょっとした板敷があり靴を脱いでそれへ上がるのである。そこを上がり框といった。そこへ採れたばかりの大きな西瓜を置いたのた。然も西瓜は畑から帰ったよとばかりに「よいしょ」と座ったかのようだ。「ごろりん」という形容がおかしく笑んでしまう。季語「西瓜」(秋)。

少年の夏の匂ひが過ぎてゆく            岡本亜蘇

 「少年」と「夏」の取り合わせは常套的だが、「匂いが過ぎる」という着眼は面白いと思う。すれ擦れ違った少年から、青く瑞々しい匂いを瞬時に感じ取ったのだろう。それは一瞬の出来事で、嘗ては自分にも有った事を思うのだ。季語「夏」(夏)。

青田風はや一年が過ぎました            東隆美

 一面の青田を弱い南風が吹いている。葉擦れの音も心地良く、ほっと癒される瞬間である。癒された作者はこの一年を一つ一つ振り返っているのだ。そして、一年と謂う時の速さを実感しているのだ。青田の頃の感慨である。季語「青田風」(夏)。

スナックの一見(いちげん)さんも夜の秋          しづか

 駅裏とか、夜の街から一筋離れたママが一人のスナックなのだ。カウンターだけの止まり木には常連客が一、二人。そこへ出張族らしい余所(よそ)からの客が、迷い込んだ末に入ってきたのだ。一見さんである。店にも一見さんにも、少しく秋の気配が感じられる夜である、ぬる燗が似合うか。季語「夜の秋」(夏)。

ペダル踏む音だけ残し夏野ゆく           和夫

 緩い坂を上った所に夏野が広がっているのだ。夏野には草が生い茂っているが、道があるのは確認できる。その道を、草を分け入るように自転車を漕いでいるのである。後ろには、自転車で通ったときの音だけは確かに残った。季語「夏野」(夏)。

八月の鏡のように川暮れる             岡本哲典

 八月、全く風の無く死んだような状態になる時があるかと思う。そんな時、暮れかかる川面は残照を浴びて鏡面を見る心地である。また暮れた川は、まったりとした暑さの中音もなく銅鏡の様を呈している。季語「八月」(秋)。

みんみんが鳴く靴下を失くす夫                       河野けいこ

 みんみん蝉は街中では此の頃聞かないが、山際にある住宅地では聞けるかも。「みんみんが鳴く」事と「靴下を失くす夫」とは何の関係性も無いが、みんみんの無関心さと夫の放漫さとの対比がくすっと笑える。季語「みんみん」(夏)。

大暑なり百文字レシピに挑戦す                       熊本妙子

 大暑には盛夏の感があるが、そんな真夏に好まれる料理を百文字で記したレシピ本から選んでの挑戦である。味は出来上がってからのお楽しみと謂うことで、先ずは手順通に。上手くいけば得意料理の一つとなる。季語「大暑」(夏)。

草むしり首に手ぬぐい夏が好き                       やすこ

 草むしりの為に準備万端といった風情だが、思いっきり季語が二つ重なってしまった。「草むしり」と「夏」、どちらも強い夏の季語です。「草むしり」に季語感が薄いと感じたのかもしれないが、残念。この句、季語を比較した場合「草むしり」の方が強く、「夏が好き」が弱弱しい。ここは推敲。早朝の雰囲気がいいかな。季語「草むしり」(夏)。

唇に似る凌霄(のうぜん)の落ちている           東英幸

 凌霄の花は下向きに咲きぽろっと落ちる。漏斗状で橙色で、それが唇に似て妖しさが漂う。その花が幾つも落ちているのを見ると、異世界に入り込んだような、妖艶なおどろおどろしさを一瞬だが感じる。花に毒性があることにも起因しているかもしれない。その毒性は弱いが肌の過敏な人はご注意を。季語「凌霄」(夏)。

(東英幸 記)

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松山と俳句(俳都松山俳句ポスト)


以下の情報は松山市ホームページ『俳都松山俳句ポスト』を参考にいたしました。

俳都松山俳句ポスト

俳句ポストは、昭和41年に子規・漱石・極堂生誕百年祭の記念事業の一つとして観光俳句を募集し、好評を得ました。
そこで、昭和43年5月に松山城長者平へ第1号の俳句ポストを設置し、第2号を同年9月に子規堂、昭和44年4月には道後温泉本館へと、年々俳句ポストを増やし、現在は主要観光地や道後温泉のホテル・旅館、路面電車や四国八十八箇所霊場のお寺など、80か所以上に設置しています。
平成22年からは、小説『坂の上の雲』ゆかりの県外の都市にも10か所以上設置しています。
また、平成24年4月から、海外第1号として欧州連合(EU)の首都ブリュッセルに、平成31年1月からは、台湾・台北市にも設置し、俳句文化の魅力をPRしています。
平成30年度に50周年を迎え、俳句ポストの名称を「俳都松山俳句ポスト」に変更したほか、選句の回数を四季に合わせて3か月に1回になりました。松山の俳句文化を春夏秋冬お楽しみいただけます。
お気軽に投句してください。

俳都松山俳句ポスト 市内設置場所⇒令和5年9月現在、87か所です。

※3ヶ月に1度開函され、松山の著名俳人により選出された句は、松山市ホームページ、愛媛新聞紙上、ポスター掲示により、発表されています。

想いをつなぐ『終活俳句』を募集しています!

一般社団法人終活サポート協会は、人生をよりよく生きるための『終活』をサポートするため、終活相談やオリジナルエンディングノート「ありがとうのことづて帖」の発行、終活セミナーなどの活動を行っています。

年3回発行中の機関誌『終活のススメ』では、終活について詠む「終活俳句」を掲載しています!

詳しい情報はコチラ→ 想いをつなぐ『終活俳句』募集


※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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