まいぷれ五・七・五
(撮影:和夫)
2020年2月の「無人駅句会」は12名が参加しました。今回は東氏が選句した11句の俳句をご紹介いたします。
「鰤起し」は北陸地方で鰤漁の始まる頃に鳴る雷のことで、冬の季語。日本海に面した漁村は、人口の減少、漁師の減少などにより昔の活気は無いのではないかな。ぽつぽつと点在する家の灯りも一つ二つと消えていき、村々は眠りに就く。そんな中、豊漁の兆しの雷が轟くのだ。
寒雷は夏の雷と違っておとなしい。そのおとなしさは不穏である。結婚指輪だろうか、その指輪を外すというのは正に不穏不穏。読者は野次馬だから勝手な想像をする。寒雷がその堅い決意を確かなものにしている。寒雷が句全体を包むのだ。しかしだ、仕事で壊れやすい物を扱うときなどに指輪を外す事だってあるだろう。だが、それでは読者には面白味がない。あくまでフィクションに徹する。ま、解釈は読み手の勝手ということで。
永本さんは高校二年生。高校生がこんな句を詠むとは意外だった。「古本」「たばこの匂い」「日向ぼこ」、どれを取っても言葉が古いというよりは手垢の付きすぎだ。でも作句は自由だからこれでいいのだ。さて作品だが、古本には煙草の焦げ後があっても不思議ではないし、匂いも微かに封じ込められているかもしれない。そこには古本独特の匂いも染みついていることだろう。その本が小春日の古本屋の店先に平積みにしてある。まるで日向ぼこでもしているかのように。どんな本なのか興味をそそる。
綿菓子は縁日の屋台の名物の一つだ。少量の粗めの砂糖から綿飴を作り出し、くるくると棒に巻き付ける。淡い春の光が目映い。参道の賑わいも想像できる。松山なら差詰め、春を告げるといわれる「椿祭り」だろう。
この句も椿祭りに関わる。宝船、大きい物になると結構な値段なのだ。宝船を商う店も参道に居並び、売り手に買い手、商談成立となると恒例の三三七拍子でもって商売繁盛を念じてくれるのだ。「宝船」だが、新年の季語で、正月の初夢を見る為に枕の下に敷いた縁起物とある。そう言えば毎年、七福神の乗った宝船を半紙に書いて送ってくれる御仁がいる。わざわざ神社で祈祷をすませたものだとも印してた。
事を荒立てず寡黙である。黙々と火鉢に炭を継ぎ足しているのだ。今では火鉢は非日常の代物であるが、昔、餅を焼くのも、暖をとるのも火鉢だった。真相をもてあそぶかのように、熾った炭(おこった炭)がパチンと弾けた。
週末のうきうき感には何処か華やぎがある。開放感いっぱい。友人と約束を交わし街に出かけたのだ。街の花屋さんには冬の薔薇が凛としてお澄ましで、土曜日の魅惑さを大いに演出してくれる。まさにマジック、ショウタイムなのです。
造船所の様子なのだが、寒々と幾つかの起重機が剥きだし状態なのだ。そして坦々と在る。物言わぬ。冬晴れが少しほっこりさせてくれる。
「春の海」と言われると、蕪村の「春の海ひねもすのたりのたりかな」を想起するが、この句、何処かの海沿いの無人駅なのだろう。それにしても降車客我のみとは、至福の一時と言っても良いだろう。春の海の広がった景色は雄大で光りが眩しい。さて、ここから何処へ行こうか。
水仙花が回り七寸(22cmほど)という事は、一面が水仙畑のような所では無く、何処かの庭かちょっとした土手のあたり咲いていたのだろう。水仙は少しでも強い芳香がある。その良き香りには鼻を近づけたくなる。作者が佳き人になった一瞬です。
「数え日」は季語で、年末の数日を言う。歳末の慌ただしい一時、フッとした時間がおとずれた。その時眼に止まったのが、ぼろぼろになった蜘蛛の糸である。(「蜘蛛の糸」は夏の古語だが、冬場でもしっかりと存在する。)そこに「もののあわれ」を思ったというのは在る。人生の機微やはかなさに感じ入ったという事だ。真冬の蜘蛛の糸は静寂そのものである。
(東英幸 記)
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