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まいぷれ五・七・五

「無人駅句会」2024年5月だより

 2024年5月の「無人駅句会」は 12名が参加しました。今回は東氏が選句した12句の俳句をご紹介いたします。

                                                                                                           (撮影:和夫)

 先日、果物と野菜を売っている大徳商店(松山市西一万)の店頭の甘夏を見ていた。宣伝が面白いなと思いながら。すると傍らに女性がやって来て甘夏の袋を二袋つかまれた。

何気なく「甘夏好きなんですか。」と質問すると、「大好きなんです」と言って彼女はレジに行かれた。私も久しぶりに甘夏を買った。

 甘夏おいしくいただきました。食べている時ふと子供の頃の夏みかんのことを思い出していた。

子供のころには甘夏はまだなかった。昔住んでいた借家は大きな家で庭の片隅に夏みかんの木がありました。五月ころ、母が夏みかんをむいて、みかんの袋から実を取り出し、グラスに入れ、炭酸と砂糖を加えた食べ物を作ってくれた。スプーンでよく混ぜて食べたがこれが結構酸っぱい食べ物でした。

 夏みかんはダイダイとも言っていました。甘夏は夏みかんの一種です。甘夏は大分県で夏みかんを改良した品種で、夏みかんに取って代わって1965年(昭和40年)ごろから市場に急増したそうです。

 

 莎逍さんは夏蜜柑の俳句も作ってくれました。

今月は2句並んでいます。ちなみに甘夏の宣伝のポップは大徳商店のご主人が作成されたそうです。

(和夫記)

映画館の椅子に沈める春愁        河野けいこ

 今日、昭和中期頃までのような映画館の隆盛は全く感じられない。テレビに乗っ取られた形だが、今やそのテレビも危うい時代である。映画館だが、たまに足を運んでみも、客の入りは殆(ほとん)ど実のない歯抜けトウモロコシ状態である。館内の照明が消され更なる静けさの中、周りの空席にはそこはかと無い愁いが沈み込んでいるのだ。それは作者自身の胸中でもある。季語「春愁」(春)。

夏の月BAR『黒猫』の上にあり     岡本亜蘇

 BAR『黒猫』は何処かの街に如何にも在りそうな名前だ。でも、何処となくミステリアスな空気が漂う。下町の薄暗い路地のバーである、まだ暑さの残る夜、空には夏の月が掛かっている。常連客とママとの他愛ない会話が漏れてくる。突如、足音と共にひた走る黒い影が店の窓を過(よぎ)った。何かある。季語「夏の月」(夏)。

初採れのスナップえんどう反り強し    岡田敬子

 スナップ豌豆は莢も実も食べる。今年も待ちに待ったスナップ豌豆の収穫である。「初採れ」とは何とも初々しい。その初物の瑞々しさは反りからも窺(うかが)えるのだ。美味しそう。僕は絹莢(きぬさや)も好きだが、スナップ豌豆が勝(まさ)る。季語「スナップ豌豆」(夏)。

二十年いまだよそもの溝さらえ      日暮屋

 二十年経(た)ってもその地に未だ馴染めない感があるというのは、中中の土地柄だとも思うが、作者は地域の「溝さらえ」の集まりの時にも何かしら疎外感を覚えたのかもしれない。僕もよく解る。これは、その地生え抜きの者で無い限り空気感として残るだう。五十年経ってもだ。季語「溝さらえ」(夏)。

指先の傷の痛みも聖五月         岡本哲典

 指先のちょっとした傷だと思うが、指先は色んな処に触れるからその痛みを庇(かば)うようになる。だが五月の清々しさ瑞々しさに触れてその痛みは癒されていくのである。カトリックでは、五月は聖母月である。季語「聖五月」(夏)。

もやもやをクリップで留め聖五月     和夫

 若葉の清々しさ、空気の瑞々しさ、五月は一年の内で一番気持ちの良い季節である。そんな高揚感溢れる季節に心を塞いでいたって、「勿体ない」に尽きる。忌々(いまいま)しいもやもや感などクリップで留め置け、身も清まるマリア月である。季語「聖五月」(夏)。

 野薊のジャンヌダルクのように立つ   熊本妙子

 野薊は鑑賞用の薊と違って、茎も太く刃先にはしっかりとした鋭い棘がある。ジャンヌダルクは、百年戦争オルレアンの戦いでの英雄である。いまも「異端にして聖女」と慕われる。そんな勇猛果敢なジャンヌを彷彿させたかのように、野にすっくと立つ薊は凛々しい。季語「野薊(春)」。

三人の子連れと出会う聖五月        曾田幸二

 この三人の子供は未就学児童だろう。きっと女の子もいるだろう。そんな微笑ましい家族と公園で出会ったのだ。光を存分に浴びた木々の若葉たち、五月がスキップしている。聖母もスキップしているかのようだ。季語「聖五月」(夏)。

銀座ゆく松坂慶子春の宵          しづか

 松坂慶子と謂えば、楽曲「愛の水中花」とプロポーションの良さに尽きる。暮れかかる春の宵である、何処か妖艶さが付き纏う。そんな往年の松坂慶子が銀座を歩いているとすれば官能的であろう。季語「春の宵」(春)。

歩いても歩いてもまたクローバー      東隆美

 クローバーは帰化植物である。オランダから江戸時代に器の詰め物として入ってきた。牧草としての栽培が出発だが、今では世界中に蔓延(はびこ)り、至る所で野生化している状態だ。苜蓿(うまごやし)・白詰草(しろつめぐさ)、の呼び名も流布。公園など、幾ら歩いてもクローバーの途切れる事はない。そんな中、四つ葉のクローバーを見つけられれば幸運に出会えるかも。季語「クローバー」(春)。

まだ早い土筆求めて散歩中         やすこ

 土筆は三月の初旬、ぽつぽつ出始める頃だ。日当たりの良い土手沿いなどでは可愛い土筆に出会えそう。「散歩中」だから、出会えたらいいなくらいの感じなのだろう。土筆狩りは当分先の事です。季語「土筆」(春)。

代搔きのトラクターの音空の青       東英幸

 子供の頃、田植えか田植えの準備の為か、両親と父の郷を訪れたとき、牛で代掻きをしていたシーンをよく覚えている。当時(昔もだと思うが)はどの農家も牛を飼っていて、代搔きは牛に頼っていた。時代は変わり今ではトラクターがその役目を担う。稲作地帯にはトラクターのエンジン音が高々と響き渡る。空には雄大に青空が広がり、牧歌的景色も雄大である。季語「代搔き」(夏)。

(東英幸 記)

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松山と俳句(俳都松山俳句ポスト)

 

以下の情報は松山市ホームページ『俳都松山俳句ポスト』を参考にいたしました。

俳都松山俳句ポスト

俳句ポストは、昭和41年に子規・漱石・極堂生誕百年祭の記念事業の一つとして観光俳句を募集し、好評を得ました。
そこで、昭和43年5月に松山城長者平へ第1号の俳句ポストを設置し、第2号を同年9月に子規堂、昭和44年4月には道後温泉本館へと、年々俳句ポストを増やし、現在は主要観光地や道後温泉のホテル・旅館、路面電車や四国八十八箇所霊場のお寺など、80か所以上に設置しています。
平成22年からは、小説『坂の上の雲』ゆかりの県外の都市にも10か所以上設置しています。
また、平成24年4月から、海外第1号として欧州連合(EU)の首都ブリュッセルに、平成31年1月からは、台湾・台北市にも設置し、俳句文化の魅力をPRしています。
平成30年度に50周年を迎え、俳句ポストの名称を「俳都松山俳句ポスト」に変更したほか、選句の回数を四季に合わせて3か月に1回になりました。松山の俳句文化を春夏秋冬お楽しみいただけます。
お気軽に投句してください。

俳都松山俳句ポスト 市内設置場所⇒令和5年9月現在、87か所です。

※3ヶ月に1度開函され、松山の著名俳人により選出された句は、松山市ホームページ、愛媛新聞紙上、ポスター掲示により、発表されています。

想いをつなぐ『終活俳句』を募集しています!

一般社団法人終活サポート協会は、人生をよりよく生きるための『終活』をサポートするため、終活相談やオリジナルエンディングノート「ありがとうのことづて帖」の発行、終活セミナーなどの活動を行っています。

年3回発行中の機関誌『終活のススメ』では、終活について詠む「終活俳句」を掲載しています!

詳しい情報はコチラ→ 想いをつなぐ『終活俳句』募集


※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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