まいぷれ五・七・五
(撮影:和夫)
2020年8月の「無人駅句会」は10名が参加しました。今回は東氏が選句した10句の俳句をご紹介いたします。
「端居(はしい)」は夏の季語で、「蝶」は春の季語であるが、この句は「端居」が勝る。蝶は黒揚羽のような夏蝶を想像する。
夏の午後の縁側などの日陰となるような処で、涼しい風を受けながら、その心地よさからつい、うつらうつらとしてしまったのだ。
そこは夢見心地で、夏蝶となって日陰から抜け、木々をも抜けて夏空に舞い上がったのだろう。
夏草、いわゆる雑草であるが、繁殖力は物凄いものがあり、地下茎に頼るもの実をたくさん付けるもの、またその両方の手段で命をつなぐのだ。根はしっかりと土を掴み強い。そうやすやすとは抜けない。渾身の力がいる。そこに作者は生きることへのひたむきさを実感したのだろう。
「緑濃し」も「蝉しぐれ」も夏本番の季語である。この句の場合は「緑濃く」が説明になってしまった。
破調の句なのだから思いっきり破調にして、「蝉しぐれの中にいる」位でもいいと思う。山頭火みたいだけど。
湿度も高く、じりじりとした炎天下に脂汗をかくようなじとっとした暑さだ。それが油照り。
「遮断機」との取り合わせは良いのだが、元来、遮断機はゆっくりと降りるものだから、「ゆっくり降りる」は説明の域を出ない。
俳句は言葉の無駄を省くことが肝要だ。
入道雲の比喩であるが「雲を仕立てて」は上手いと思う。
「大いなる」も夏本番を思わせる。まばゆい白さの雲の峰である。
「八月来」も、暑苦しさを感じさせない。かえってさらりとした暑さを思うのだ。
河口からの距離を表す標識は二百メートル置きに立ててある。だから五キロメートルとは一駅以上の距離なのだが、そのくらいでないと大夕焼は視界に収まり切らないかもしれない。
五キロメートルから見る夕焼には雄大さもあるが、どこか孤独感も思う。夕焼にはそういったリリシズムもあるのだろう。
若い男女が線香花火をしているのだ。線香花火は要は手花火。着火してすぐに弾けるがすぐにしだれ柳のような火になりやがてジジッといって落ちる。
男は告白をいつ切り出そうかと逡巡しているのだろう。その逡巡が幾本目かの着火の火を手に受けたのかもしれない。アチチッ。ここは浴衣掛けがいいな。
オジサンの願望、そして遠い青春。
この句も若い男女か。夏の蝶は大型が多く、その舞姿は華麗で妖艶である。
近づけば離れる光景は青春映画のワンシーンのようだ。その清純さはやがて夏の蝶へと変身することだろう。
短歌的な句である。「人恋し」は相聞歌まがいの入り方で色気がある。
鬱陶しい梅雨が明けたかと思えば、月が欠けてゆくのである。なんと哀れであることか。
あの人を思いつつも寂しいことよ。
じめじめとした梅雨も長すぎるとうんざりだが、でも天候には逆らえないし有るがままに。どっしりと構えておれば長い梅雨とて満更でもないのだ。
この句だが、「鉄橋」も「貨物列車」も寡黙以外の何ものでもない、そしてそこに見える景色の山も川もだ。なお、鉄橋を渡る貨物列車の音にはアンニュイ感が漂う。そこが長い梅雨と饗応するところで、一抹の寂しさもある。
(東英幸 記)
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