松山ゴルフショップ特集
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2025年、PINGから待望の新シリーズ「G440」が発売されました。PINGといえば、これまで「高い寛容性」と「ブレない飛び」を追求してきたブランドですが、今回のG440ではさらに一歩踏み込んだ進化を遂げています。今回は、FROG GOLFオーナーの小岡皇王さんにG440シリーズの特徴や魅力について詳しくお話を伺いました。

――まず、G440の最大の特徴について教えてください。
小岡さん:
「これまでのPINGといえば、『やさしさ』や『ブレない飛び』をとことん追求してきたブランドというイメージでした。確かに方向性の安定感はすごいのですが、ライバルメーカーと比べると『びっくりするような飛距離は出ない』という印象もあったんです。」
「でも今回のG440では、その考え方に大きな変化が見られます。『ブレない』という特長はそのままに、『さらに飛ばす』という要素が加わったんです。これは本当にPINGの転換期と言えるモデルだと思います。」
――PINGの開発哲学に変化があったのでしょうか?
小岡さん:
「PINGは「前作を超えなければ新製品は発売しない」という哲学を持っているんですが、今回はその超え方が少し変わりました。これまでは『より深く・低い重心』『より高いMOI』を目指していたのが、今回は『高MOIはキープしながら、最大飛距離を追求する』という方向に進化したんです。」
G440は、PINGが長年追求してきた「深低重心」と「高MOI(慣性モーメント)」を継承しながらも、「飛び重心」という新概念を導入しています。PINGが考える理想の重心ラインにこれまでで最も近づいたことで、インパクト時のパワーロスが減少し、飛距離性能が大幅に向上しました。
――実際のパフォーマンスはいかがですか?
小岡さん:
「機械測定では前モデルのG430と比べて約5ヤードも飛距離が伸びているそうです。実際にお客様の声を聞いても、『前作より音も感触も良くなった』『ボールの勢いが違う』という評価が多いですね。特にスピン量が少なくなり、ボールが前に前に進むような強い弾道になっています」

この「飛び重心」を実現するために、G440では4つの重要なテクノロジーが採用されています。
G440シリーズには「MAX」「SFT」「LST」の3つのモデルがラインナップされています。
G440シリーズには「MAX」「SFT」「LST」の3つのモデルがラインナップされています。「MAX」は最も慣性モーメントが大きいモデルで、直進性に優れています。前作より投影面積が小さくなり、よりシャープなイメージでアドレスできるようになりました。「飛び重心」と「高MOI」を融合させた、多くのゴルファーに適したモデルです。上下左右の合計MOI値は10,000g/㎠に近い値まで達しています。
「SFT」はスライスに悩むゴルファー向けのモデルで、ヒール寄りの重心設計によりつかまえやすくなっています。DRAWポジションとDRAW+ポジションの弾道調整機能があり、MAXよりも13ヤード、DRAW+ポジションではMAXよりも約20ヤードつかまりやすい設計になっています。今回からロフト9度も登場し、スピンが多くて飛ばない人にも対応できるようになりました。
「LST」は低スピンモデルで、強い弾道で飛ばしたいゴルファー向けです。ヘッド体積は前作より10cc大きくなって450ccとなり、打感と打音が向上しています。歴代のLSTシリーズの中で最大の慣性モーメントを実現しているので、曲がりにくさも兼ね備えています。MOI値は約9,000g/㎠あります。
――モデル選びのポイントはありますか?
小岡さん:
「どのモデルを選ぶかはゴルファーによって違いますので、ぜひフィッティングを受けてみてください。自分に合ったヘッドを選ぶことで、最大限のパフォーマンスを引き出せますよ」
PINGはこれまで「寛容性」を追求してきたブランドですが、G440では各モデルの投影面積を最適化。MAXとLSTは小ぶりになり、SFTはやや大きくなりました。ただし小ぶりになっても、高MOIはしっかり維持されており、ミスに強い特性はそのままです。
また、「スピンシステンシー・テクノロジー」という新技術により、フェース上下のミスヒット時でもスピン量を安定させ、飛距離ロスを抑える工夫がされています。
G430から好評だった快適な打感と打音ですが、G440ではさらに改良されています。新ヘッド形状とサウンドリブの配置見直しにより、より心地よい打感と打音を実現。リブを長くしつつ配置を変更し、クラウンとソールにやや丸みを持たせることで振動を抑えています。その結果、前作よりも短くて低い音になり、残響音が少なく爽快な音に仕上がっています。
――お客様の反応はいかがですか?
小岡さん:
「お客様からも『前作より打感と打音が良くなった』という声をよく聞きます。実際、本球で打つと練習球よりもその違いがはっきりわかりますね。練習場だけで判断せず、ぜひコースでも試してみてほしいですね」
G440では標準シャフトの「ALTA J CB BLUE」が46インチになりました。これによってヘッドスピードが向上し、飛距離が伸びています。PINGが収集した何万球ものデータによると、ALTA シリーズを使用するゴルファーには46インチの方がメリットが大きいようです。
――長くすることでのデメリットはないのでしょうか?
小岡さん:
「確かに長くすると曲がり幅が約1~2%広がってしまいますが、飛距離は約3~4%も伸びるそうです。少し曲がっても飛距離が伸びていた方がスコアアップにつながる可能性が高いんですよね」
「過去には長尺ブームもありましたが、当時はすぐに終わってしまいました。『ミスヒットしたときに飛ばない』『曲がり幅が大きい』といった問題があったからです。でも現在のヘッドは高MOIなので、そういった問題が解消されているんです」
もちろん、フィッティングで最適な長さに調整することも可能です。0.25インチ刻みでカスタムできますので、個々のゴルファーに合った仕様にできます。
G440には4種類のPINGオリジナルシャフトがラインナップされています。
それぞれのゴルファーのスイング特性やフィーリングに合わせて最適なシャフトを選ぶことができますので、フィッティングで様々な組み合わせを試してみることをお勧めします。
G440ではイメージカラーがブルーになりました。実はPINGは節目となるモデルでブルーを採用する傾向があります。初代の「G2」、10年前の「G30」と「G」、そして今回の「G440」もブルーです。
このブルーは「タイムレスブルー(TIMELESS BLUE)」という名前が付けられており、特定の時代や流行に左右されることなく輝き続けるモデルであるというメッセージが込められているそうです。このことからも、「G440」が新たな時代の始まりを告げるモデルであることがわかります。
インタビューの終盤、小岡さんからゴルフ業界の面白い傾向についてお話を伺いました。
――日本のゴルフ市場について何か面白い傾向はありますか?
小岡さん:
「面白いことに、日本のゴルフマーケットではドライバーは海外ブランドがよく売れるのに、アイアンは日本のブランドがよく売れるんです。アイアンに関しては、ミズノやスリクソン、ヨネックスなどの日本ブランドが強いですね」
――なぜそういった傾向があるのでしょうか?
小岡さん:
「この傾向は長年変わらないんですよ。なぜなのかはよくわかりませんが、おそらくドライバーは『所有感』や『デザイン性』を重視する傾向があるのに対して、アイアンは『道具としての実用性』を重視するからかもしれません」
「ドライバーについては、プロゴルファーが使っているイメージやデザインの良さが重視される面があると思います。海外ブランドはこの点で優れていますね。一方、アイアンは実際の使い心地や打感が重視され、日本人の好みに合わせた日本ブランドが選ばれる傾向があります」
――PINGのアイアンについてはどう思われますか?
小岡さん:
「PINGのアイアンについて言えば、シンプルに打ちやすいという特徴があります。ライ角のバリエーションも豊富で、フィッティング的には特化したアイアンとなっています。ただ、日本人好みの『音』や『打感』のこだわりという点では少し物足りないかもしれません」
――他のメーカーについてはどうですか?
小岡さん:
「昔某メーカーのある展示会で、クラブデザインについて『少しダサい』と言ったことがあるんです。するとメーカーの方も『それはわかっている』と。でも経営陣が『他のスポーツ用品のイメージでロゴマークを出せば売れる』という感覚を持っているようで、なかなか変わらないんだとか。でも実際には、ゴルフは違うんですよね。デザイン性も大事なんです」
――メーカーの販売戦略にも変化があるのでしょうか?
小岡さん:
「大手メーカーでも、クラブ自体のロット数を削減して、完全に売り切る政策で動いているようです。最低限の売上を確保できればOKという方針みたいですね。海外ブランドも二ヶ月で売り切るぐらいの感覚で作っている印象があります」
――PINGのユーティリティについても教えてください。
小岡さん:
「ちなみにPINGはユーティリティも非常に評価が高いです。毎回毎回、PINGのユーティリティは高い評価を獲得しています。G440のユーティリティも『飛び重心』設計を採用し、高弾道・低スピンで最大飛距離を実現しています」
G440は、PINGが長年培ってきた「ブレない飛び」という価値観を覆す、画期的なモデルと言えるでしょう。「ブレない」という安心感はそのままに「さらに飛ぶ」という新たな価値を提供してくれます。
ライバルメーカーと比較すると、テーラーメイドやキャロウェイは新製品が出るとすぐに売れるものの、2か月経つと下火になる傾向があります。一方、PINGは初動こそ控えめですが、長く売れ続けるのが特徴です。2年に1回のモデルチェンジで、優しさを追求したロングセラーになるモデルが多いとのこと。
――今後の展望についてはいかがでしょうか?
小岡さん:
「今回のG440はそういったPINGの良さである『安定性』と『優しさ』はそのままに、飛距離性能が大幅に向上したモデルとなっています。これまでテーラーメイドやキャロウェイを使っていた方が、PINGにシフトチェンジするケースも増えてくるのではないでしょうか」
「ぜひフィッティングを受けて、あなたに最適なモデルを見つけてください。G440の進化を実感していただけると思いますよ」
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。