そこで私は糖尿病であることが効果的になります。と云ってもアジの焼き魚が他の人よりもう一匹ということだけです。薬の処方はありません。
朝10時、ランドリー工場までバスに乗っていきます。窓からは外のビーチやら、観光にもなっている穴の空いたマンション(風水占い)を通り過ぎて到着です。
主に病院などで使う敷布、帽子、手術服などの折りたたみです。
看守は高台から下で働く我々を監視していますが、すぐに懲役囚の半数が寝っ転がっています。
私はそれでも持ち場を離れることもできずまじめにやっていると、香港人が来て「仕事はやらんでもよい。お前は短い刑だから。どうせよく働いてもわずかの金しかくれん。日本人にとっては大した金ではない」と忠告してくれました。
それで私も途中で仕事をやめて場内散歩をすることにしました。
目の前にたくさんの敷布が自動機から出てくるのに知らん顔で、ついに看守が来て自分でやり始めました。誰も手伝いはしません。敷布があたたかいからその中で寝ているものがあっちこっちにいるし、敷布を尻にして、三人ぐらいでトランプを使ったバクチをやっている者もいる。イカサマバクチです。
それでもどこの国にでもマジメなやつもいるからどうにかなるものです。仕事をする人がいるということです。
ランドリー工場は業務委託であるのかもしれない。したがって看守ではなくて委託従業員だったのかも。午前中2時間、午後3時間くらいの仕事ですから、楽なものです。
こんなことで採算が合うのか。懲らしめにならないのではないか、まじめに仕事をしない囚人だらけです。
一つだけ困ったことがありました。トイレの大のほうです。この工場では、大部屋で共同で排泄をします。10畳くらいの部屋に穴が等間隔に9つ位あります。前の人の尻が丸見えで、あの音が容赦なく伝わってくるのです。
しないわけにもいかず、えいくそと思ってしゃがんだのもいい思い出です。
香港の街ではこんなことに出くわすことはありません。古き良きものが、こんな番外地には残っているのです。
さて、土曜日は半日仕事をして帰ってくるわけですが、三階の屋上グランドがあって、そこで過ごします。バスケットコートもあって、その周りはランニング、ジョギング、卓球台があります。これはこの刑務所の他の房からも来ますから、200人位になります。
香港以外の外国人が多かったです。アラブ系の人も多くて、彼らはスポーツに汗をかいています。
自己責任が強い国ですから、病気になっても国の保険・支援はありません。
生きていくためには自分で身体を大事にするんですね。
刑務所内ではトラブルを起こしてはいけません。一番気を付けないといけないことがあります。
他人のものには絶対手を付けないこと、下に落ちているものでもひろわないことです。
ここでは拾いと持ち去り禁止です。房内では許可された私物のみ許されています。洗面道具とか、タオル、お菓子、食べ物、それに新聞も例え机の上にあっても誰か所有者がいるので許可なしに読んではいけません。
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