土曜・日曜は公園やビルとビルの回廊にフィリピン人が敷物をして雑談をしたり、弁当を食べていたりとにぎやかです。銅鑼湾のあとのビクトリア公園はインドネシア系、中環のチャータード公園はフィリピン人が多い。20万人以上の人々が香港に出稼ぎに来ています。
香港人との話で「Ama」という言葉がよく出てきます。日本語的理解で「尼」だと思い浮かべていたら、そんなことはありません。このAmaというのはイギリス英語で、アメリカのハウスメイドなのです。
ハウスキーパーだけではなく、子どもの養育もします。街中で香港人の子どもがフィリピン人と連れ立って歩いています。
誰かが云ってましたが、フィリピン人のやさしさ、仕事に対する誠実さは香港社会から高く評価されているとのことです。フィリピン人の英語レベルもかなり高く、世話をする香港人の子どもの英語力アップにつながっています。

フィリピン人の公園・回廊占拠に不満を抱く香港人も一部います。しかし、こうしたことは安い賃金で子どもの養育・教育に役立っていることを勘案して、受け入れられています。

ハウスメイドとして受け入れてきた香港社会は多くの利益を受けてきました。とくに女性の社会進出・地位向上があります。
その反面ハウスメイドは雇用する側、される側の双方に争いごとが起きるケースもあります。
香港家族の中での雇用問題には、パワハラ・セクハラが発生する場合もあります。そうすると法律問題にもなります。この種の事件はよく新聞に載っています。

フィリピンの側にも、香港に来ている人達のなかから、これを監視していく団体、人権監視委員会みたいなものがあります。フィリピンの建国記念日とかも香港ではいろんな行事が行われ、香港社会にアピール・啓蒙活動がなされます。

そのフィリピン人活動家に私がインタビューしたときに彼女らが質問したことは「日本にも差別問題があるのか」ということでした。
街頭での話ではあったのですが、私はなんとかしどろもどろに説明し、Yesと答えました。

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