第16章 松山の古本屋はどうなっているんだ 3 巌窟王(がんくつおう)の教えで執念深さを 3
写楽堂

巌窟王(偕成社版)
古本屋をやって楽しいことは、いろいろな本を手にすることです。
よく売れた本、よく読まれた本の中には、それなりに使用歴があり、
劣化がはげしく、売るのには値段がつかない本もあります。
子供本=児童書は安い。子供本を読むのは、読みやすく楽しい。今まで読めなかった名作本を読むのはどうでしょうか。
ゼニもヒマもなかったばかりでなく、その本のおもしろさや価値に気がつかなかったからでしょう。私は今そんな子供本を読んでいます。
この物語は、ダンテスという若い船員が、身に覚えのない罪で14年間地下牢につながれた後、監獄島から抜け出し、モンテ・クリスト伯となって悪事をなした人々への復讐をするものです。
社会にどんな不正不義があろうとも、辛抱強く待って、望みを失わなければ正義が行われるという内容です。
1887年 西洋復讐奇譚 関直彦 訳
1905年 巌窟王 黒岩涙香 訳
現代の岩波文庫では「モンテ・クリスト伯」となっています。
『まて、そして望みをもて』というのが終りの言葉となっています。
このほかに私が最近読んだ本は、『あゝ無情(ビクトル・ユーゴ―)』です。
これは、世界中でも今も読み続けられ、アメリカのミュージカルは大ヒットでした。
私のイメージはウクライナ ⇒ 香港 ⇒ ベラルーシ ⇒ ミャンマー へとつながります。
イメージの詳細を知りたい人は、私に直接お聞きください。
この本は19世紀フランスの帝政と共和政の二派にわかれて闘った歴史がでてくる広大なスケールの本です。
レ・ミゼラブルとは、悲惨な人々・哀れな人々という意味だそうです。私が香港にいた1994年当時、香港一のにぎやかなコーズウェイにタイムズスクエアがあります。
そこでとてつもない大きな看板で、映画版のスチールが長い間ディスプレイされていました。アメリカのブロードウェイのミュージカルは何年間も上演されていたと思います。
マルクスやレーニンの本よりは、ずっとレ・ミゼラブルのほうが世界中で楽しまれているのではないでしょうか。
日本のミュージカル劇場公演は2,000回に達したそうです。
2019年8月14日、香港民主化運動では、空港ロビーで「民衆の歌」として歌われています。「戦え、それが自由への道」です。
「明日が来たとき、そうさ明日が、列に入れよ我らの味方に、砦の向こうに世界がある。闘えそれが自由への道、戦う者の歌が聴こえるか」
革命はウクライナのマンダン革命―香港―ベラルーシ―ミャンマーへとつながり、今一度ウクライナに回って戻ってきました。
昔もそうであったが、今日では情報がすぐに発信され、人々がネットによって瞬時につながっています。
そんな中にあって、個人が情報を正確につかみ、考えていくためには、過去を知ること、すなわち本を読むことを通じて歴史を理解することが大切だと思うのです。
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