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まいぷれ五・七・五

「無人駅句会」2021年12月だより

 2021年12月の「無人駅句会」は11名が参加しました。今回は東氏が選句した11句の俳句をご紹介いたします。

(撮影:和夫)

 

眉墨を落とし初冬の母眠る        岡田敬子

 この母は自身のことなのか、それとも自身の母のことなのか、僕は後者を思った。久し振りに泊りがけで実家に帰って母と枕を共にしたのだろう。母は未だ女の身だしなみを忘れてはいなかったのだ。化粧を落とし寝入った母を眺めた。懐かしさのある母の寝顔だった。初冬のほろ寒さを感じながら、この至福の時を思いなかなか寝つけない娘であった。季語「初冬」(冬)。

鳥渡る私の部屋をノックして       岡本哲典

 渡り鳥には、春に来る夏鳥と秋に来る冬鳥がいるが、俳句では冬鳥をいう。その冬鳥が北方へ帰ることを、俳句では「鳥帰る」といって春の季語である。ある日のこと空を見上げると渡り鳥の群れである。その一羽が挨拶の為、とある日私の部屋をノックしたというのだろうか、それならば何ともメルヘンチックではないか。いやいや、部屋をノックしたのは訳ありの誰かかも。季語「鳥渡る」(秋)。

百円の眼鏡百円のサンタクロース     河野けいこ 

 百円ショップは、今や市民生活に定着している。僕も老眼鏡を何度か買った。百円だから扱いが雑。五、六っ個は買った。百円のサンタクロースとは、クリスマスツリー用の小道具かストラップ仕様のものか。この句あっさりと百円で片付けてくれたね。季語「サンタクロース」(冬)。 

警笛は曇天に抜け漱石忌         熊本妙子

 僕はこの警笛を踏切だと勝手に思い込んでいる。踏切で、冬雲を押し上げるかのように、そしてその天を抜けるかのごとく警笛が鳴り出し、遮断機がゆっくりと降りた。足止めをくった人たちの気持ちまでもが活写される。夏目漱石の命日は12月9日、49歳で没した。季語「漱石忌」(冬)。

湯治場に黒猫がゐてしぐれけり      岡本亜蘇

 治癒の為、湯治場に数か月も逗留する人がいる。当然自炊を余儀なくされ、共同炊事場が設けられている。作者は湯治客ではなく、湯治を兼ねた温泉場を訪ねたのだろう。そしてその温泉場の辻に黒猫を見かけたのだろう。空は黒雲が広がり、一瞬の通り雨である。淡々とした温泉場の静かな時間が流れている。季語「しぐれ」(冬)。

骨壺にたしかな余熱冬紅葉        日暮屋

 火葬場で遺骨を拾って骨壺に納めるとき、骨壺が満たされてくると確かにそこに余熱を感じる。冬になってもまだ残っている紅葉の鮮やかな印象は、故人を見送る人たちにも安らかな心持を与えたことだろう。季語「冬紅葉」(冬)。

小春日の窓に異国の瓶のあり       東隆美

 立冬を過ぎてもそれほど寒さも厳しくなく、穏やかな柔らかい日差しが窓から差し込んでくる。その窓は出窓にでもなっているのだろう。そこにギヤマンの花瓶でも置いているのか、小春日がギヤマンから優しい色彩を引き出す。季語「小春日」(冬)。

ぼんやりと外を眺めて十二月       しづか

 十二月は何かと忙しい月なのだが、世間の喧噪を逃れるかのように、窓辺に寄り唯ぼんやりと外を見ている。そこにはアンニュイな空気が漂うばかりだ。季語「十二月」(冬)。

テーブルのかごのみかんを一つとる    和夫

 テーブルの籠に山盛りの蜜柑あり、艶やかにオレンジ色が積まれているのだ。さりげなく籠から一つを頂いた。それは躊躇なく自然な動作であった。蜜柑は一つ取るのにも手ごろな大きさなのだ。この句のミソは「一つ」。季語「みかん」(冬)。

声明のとぎれとぎれや冬の月       曾田幸二

 声明は僧が経文を朗唱する声楽である。息継ぎがあるから途切れ途切れになるのか。だがこの声明を武器に、声楽によって世界を巡る僧の一行があるという。僕も、声明とジャズピアノとの共演を嘗て聞いた。そのときCDも買った。四、五人の僧だったが、みんな声がいいしハモるのも一級だった。冴え冴えとした冬の月と響き合う。季語「冬の月」(冬)。

日溜りに落葉の上の落葉たち       東英幸

 小春日和の柔らかな陽が落葉の上に降り注ぐ。落葉は踏めばザクッと音がするほど層を成している。下の層にも以前には陽が降り注いでいた。その落葉の上にさらに落葉が積もり陽を浴びている。公園とか雑木林のちょっとした日溜りを思う。そこを支配するのは静寂のみ。季語「落葉」(冬)。

(東英幸 記)

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