本離れの原因 二つ目はイデオロギーの忌避 188
写楽堂
本を読まなくなっている。
その原因の一つは、イデオロギーが若者に魅力がなくなっている。
宗教もその一つとなっている。
この間のオウム真理教、統一教会などの反社会的事件は、大きなショックを与えた。これらの事件は、宗教や社会組織そのものが、その核たる思想そのものが憎悪の対象となった。
社会主義思想そのものも若者にとって避けたいものとなっている。
イデオロギーの中には社会倫理、道徳も含まれている。
闇バイトに参加する若者は、弱い立場にいる老人に強盗を働き金を得ようとする。自らの中に弱い者への愛が育成されていないのではないか。
富者は伝統を守り、互いが結び付きやすく、貧者にはこのことがより困難である。
衣食足りてモラルが成立する。貧者に富者よりもモラルがより以上に求められる。
闇バイトに参加する若者も又精神的に阻害された人である。
しかも弱い存在である。孤独に、一人ぼっちになりやすい。
統一教会は悪い集団だと思うが、それを政治的に利用した政治家はもっと悪い。犯罪を犯した人にもっと支援(と云っても)・相談に乗るとかしかできないでしょうけど、社会制度の問題でもある。
今の若者はひ弱いとよく云われる。骨となるべき信念と高い倫理観を、絶えることなく希望を持ち続けることはなかなかできない。
何故なら、今の社会制度では一度でもレールから外れてしまうと元には戻れないからである。勝者と敗者が入れ替われるんだという、いつでもチャンスはあるんだという社会は、もう来ないのではなかろうか。
勝ち組と負け組が出来上がってしまったといわれる、この先どうなるかは誰にもわからない。
話をもとに戻すと、本を読まなくなっているのは、人々はイデオロギー脱落のレールに乗っているからである。
社会的正義とか、公平になる、人々が幸せになれるという信念は必要である。
今は、これらの問題に対してイデオロギーは悪いんだということで、人々の当たり前の要求やらが圧殺されているだけのことである。
さて、イデオロギーなき社会は個人主義だらけ、グルメと旅行に夢中となっている。
会社や国家に対しては何も云えない、云ってもムダだという諦めの境地になっている。
これでは読書をして自己啓発しろというのは無理である。
人々が「個人も変わる」「社会も変われる」んだという思いがなければ、本は読めるものではない。本を読むことは希望を持つこと、自分の一生をかけてやりたいものを求めていくために、考えるヒントと精神的インフラをつくっていくものである。
悪しき個人主義は、富者や権力者に思うままに操られてみじめさを味わうだけである。まじめに働いてきたサラリーマンは今老後の豊かな生活ができているのか。
正しい国家や、正しい宗教というものがあるのなら、正しいイデオロギーというものがあっても良いのではなかろうか。それが問題だ。
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