有川(仮名)さんのケース
ホームレスにとってはきびしい寒さです。だんだんと春めいてきました。有川さんはホームレス仲間でも人気のある親分肌の人です。石手川の桜も満開となりました。
すこし、余分な金が入ったので石手川土手で花見会をやろうと話が持ち上がりました。
バーベキューをやってたところ通行人といざこざがありました。警察が駆けつけてきて、押し問答があった時その警察官は土手から落ちたのです。
公務執行妨害で逮捕です。逮捕され留置場に入れられ、起訴されました。
後になって私の仕事を手伝ってもらったことがあります。有川さんはその時寂しそうに私に語りました。
「ここで花見をしてはいけんというので、その警察官に文句を云っていただけなのに、警察官を投げ飛ばして石手川に突き落としたとされてしまった」
だいたい警察官たるものは、危険な場所では職務をしない。
不審質問をする人間を安全な場所に移動して説得するのが常識です。ごく些細なことでも事件にしてなんぼのものですから、ちょっとしたいさかいを事件にしたがる傾向があります。
オーム事件のときも、警察官のコロビが話題となりましたが、このケースもそうです。
市民運動では、抗議活動のとき警察官や相手方は事件を作りたがって、コロビをやります。ですから、市民運動では「コロビに気を付けろ」と警戒して行動しています。沖縄の人達、基地反対闘争をやっている人達は警察や行政府の人との話はその場に座ってやります。
やがて市は、ゴミ集積所から故紙を持ち去るのは、交通事故につながる危険行為だとして、市条例を強行しました。ホームレスといえども既得権者ですが、ひろいの補償はしてくれません。ひろいの行為を職業として認めていないからです。実際にホームレスに心を寄せる政策はしません。
私は前から生活保護の申請をするべきであると彼らを説得をしていたのですが、なかなかしません。その理由が「病気になって倒れないと、保護は通らない」というものです。これは彼らの偏見・予断ですが、みんなそう思っていました。
まだほかにも理由はあります。親族に知られるのがいやだとか、申請する住所がないなどのことです。彼の前職は料理人でした。
彼は、この後生活保護下に入りましたが、すぐにガンにかかってしまいました。
抗がん剤治療を受けました。ステージⅣですから回復は見込めません。2週間ほど四国がんセンターに行きましたが、歩くことさえもできないのに入院はさせてもらえません。
それで私は終末の緩和病院を探しました。重信町のある病院が受け付けてくれましたが、担当医の女医さんは「うちではガン治療はできません。それでよろしいですか」ということで入院です。
入院のお世話は、同じホームレスの一人がやりました。病院生活は一週間ほどでした。
彼もまた孤独死です。かろうじて、病院で亡くなりました。
死水をとってあげたのはかつてのホームレス仲間でした。
■お知らせ■
2022年10月、実店舗復活オープン!店売り始めます!
毎週月〜金の12:00〜17:00に写楽堂安城寺店にて店売りを始めます。
詳しくはこちらからご覧ください↓
古本実店舗復活オープン!店売り始めます!