取り調べから3日後に香港島西湾にある東区裁判所に召喚されました。正式にはEastern Magistratesという。
いまだわからないこともあります。正式裁判の前に別室に呼ばれ、この罪を認めるのかどうかの審問がありました。これが予審なのかどうかわかりません。いまだにわかりません。たぶん罰金を払えば済むであろうと思っていました。
やがて、200人位入れる法廷に連れ出されました。次から次へと他の被告も呼び出されていました。判決のたびにどよめきが起きていた。流れ作業のように判決が下されていくのです。
私の番となり、オリの中に入れられました。私の意見陳述の機会もなく、弁護士もなく、すぐさま4か月懲役が宣告されました。
不思議なことにそれほどのショックはありませんでした。え!!罰金刑ではないのかと思う間もないほど、あっという間でした。
すぐに「あ―これで香港社会のもう一つを見ることができる」という何かを得た感覚なのです。
誰しもこういう感情が起きてくるのではないでしょうが。
裁判官の判決理由としては「香港にはポルノがどこにでもある」「一般の社会人はポルノに対して嫌悪感がある」「日本のポルノ王として香港社会を汚染した罪は重い」ということではなかったでしょうか。
人間には危ないもの見たさの性情がある。何事も受け止める私です。
オリの中に入れられたままエレベータで地下に直行させられて(まるで「沈黙の羊」の一場面みたいでした)、夕方までいました。
その日の晩方、九龍半島にある未決収容施設にバスで乗せられていきました。そこは香港人以外の人達が多かったです。騒がしいことこの上もないアトモスフェアです。一階のグランドにはバスケットコートがあって、思い思いにプレーを楽しんでいました。
昼間はテレビを見るか、そこら辺を歩き回るか、オシャベリのタイムです。
夜は、各房に2人ずつ入れられました。私の房にはベトナム人がいたのですが、共通言語がないために会話はできません。
晩ごはんが終わって就寝時間になると、房内に二人ずつ移されます。誰かが歌っています。
房が一列のため顔は見えません。フィリピン人のプロシンガーです。
その人に向かって「I'm Japanese.Please sing ビートルズ "let it be"」とリクエストしました。
香港のすばらしい一夜でした。ここにいる人達― なぜか外国人が多い ―から、プロの歌をきかせていただき、酔いしれていました。どんな罪状の人でも、この曲を聴けば、胸の中に自由へのあこがれが起きてきます。誰でもは味わえない香港の夜でした。
■お知らせ■
2022年10月、実店舗復活オープン!店売り始めます!
毎週月〜金の12:00〜17:00に写楽堂安城寺店にて店売りを始めます。
詳しくはこちらからご覧ください↓
古本実店舗復活オープン!店売り始めます!
第2回古本祭り開催します!
Net販売の10万冊を大公開!お買い上げ特典もあります♪
詳しくはこちらからご覧ください↓
【予告】第2回古本祭りを開催します!