松山ゴルフショップ特集
(更新)

毎年秋口になると、ゴルフ業界ではシャフトメーカー各社の新作が出そろいます。なかでも注目度が高いのがフジクラとグラファイトデザインの2社。まいぷれ編集部は今回、松山市久万ノ台のゴルフ専門店FROG GOLF(フロッグゴルフ)の小岡さんに、2026年9月3日に発売されたフジクラの新作シャフト「SPEEDER NX WHITE(スピーダー エヌエックス ホワイト)」について、メーカーの成り立ちから新技術の中身、実際に打ってみた感想までお話を伺いました。
まず、なぜこの時期にシャフトの話題が集まるのか。小岡さんによると、シャフトメーカーの新商品は秋口に発売されることが多く、その中でも大きく注目を集めるのがフジクラとグラファイトデザインの2社なのだそうです。
小岡さん:
「9月にシャフトの新作が出るんです。フジクラから1商品、グラファイトデザインから1商品。だいたい秋口にシャフトメーカーさんは新商品を出します。その中でもこの2つのメーカーが、大きく注目されるシャフトかなと思います」
今回はその第1弾として、フジクラの「SPEEDER NX WHITE」を取り上げます。グラファイトデザインの新作「TOUR AD EK」については、別の記事でご紹介します。

現在のシャフト市場は、フジクラが頭ひとつ抜けた状況が続いているといいます。ただ、昔からそうだったわけではありません。小岡さんが前職の大手ゴルフ量販店にいた頃、15年ほど前にはグラファイトデザインが独走していた時代があったそうです。
小岡さん:
「15年ぐらい前は、実はグラファイトデザインさんが独走しているような時代があったんです。そこから女子プロの人気がだんだん高まってきて、フジクラさんが女子プロにシャフトを提供するなど、タイアップのようなことを結構始めました。それによってフジクラシャフトが日本のゴルファーにすごく浸透していって、気づいたらトップの座にいた、というメーカーなんです」
国内だけではありません。海外のPGAツアーでも、日本ブランドであるフジクラの存在感は大きいといいます。
小岡さん:
「アメリカのPGAツアーでもフジクラさんはすごく強いんです。PGAツアーは男子プロがメインですが、男子プロに対してもいいシャフトを提供していったことで、プロからの支持がすごく厚いメーカーになってきました。日本でもPGAツアーを見る方はとても多いので、海外のトッププロが使っているシャフトを見て『フジクラのシャフトが多いな、いいのかな』となりました。そういう影響もあって、アマチュアのシェアもすごく多いブランドです」

フジクラの新作には、もうひとつの特徴があります。毎年、系統の違うシャフトを新発売し、そのたびにモデル名に色を付けて展開していることです。
小岡さん:
「フジクラさんは毎年、系統の違うシャフトを新発売していて、そのたびに色を付けていくんですよね。前作だったらGOLD、その前はVIOLET、BLACKといった感じです。今回はWHITEというカラーリングで発売されます」
メーカーの発表によると、SPEEDER NX WHITEは先中調子の「SPEEDER NX BLACK」の流れをくむモデルで、操作性と安定性を両立した先中調子シャフトとして開発されたとのことです。
小岡さんがフジクラを語るうえで強調するのが、「アマチュア向け」という視点です。
小岡さん:
「フジクラさんはプロ向けというよりも、アマチュアの一般ユーザーさんが効果を得やすいようなシャフトを作っていくメーカーなんです。だからアマチュアの人にすごくハマりやすいシャフトが多いです。今回のNX WHITEも、アマチュアの方にハマるんじゃないかなというシャフトですね」
では、NX WHITEは何を狙ったシャフトなのか。ひと言でいえば「ボールの頂点を高く上げる」という取り組みだそうです。
小岡さん:
「簡単に言うと、ボールの頂点、いわゆる高さを高く上げようというシャフトの作り方なんです。ただ、こういうシャフトは今までも出てきたんですけど、ボールを上に上げる力を出すには、先端が動くシャフトでないと難しいんです。だから先調子系のシャフトが多かったんですよね」

先端が動く先調子系のシャフトは、球が上がりやすく、つかまりやすい。球が上がりづらい方やスライスが出る方には有効な一方で、弱点もあったといいます。
小岡さん:
「先調子のシャフトは、球が上がりやすくて、球がつかまる。上がりづらい方やスライスが出る方にはすごく有効だったんですけど、先が動く分、タイミングのずれによってしなり戻りの幅が大きくなるので、どうしてもばらつきが出やすかったんです」
小岡さん:
「それと、先が柔らかいということは、先端のカーボンの剛性を少し緩く作っているということなので、ヘッドにボールが当たったとき、特にミスヒットしたときの当たり負けもありました。いくら改良されたとはいえ、従来はそういう面が目立ちやすかったです」
「飛んだのはいいけれど、急に変な方向に行ってしまう」編集部がそう問い返すと、小岡さんは「そうですね」と頷きました。高さを求めるほど、方向のばらつきが出やすくなる。これが従来の先調子系シャフトが抱えていたジレンマだったようです。

NX WHITEはこの課題にどう向き合ったのか。鍵になるのは、カーボンシートの繊維の「角度」です。
小岡さん:
「カーボンシャフトは、カーボンシートを何層も巻いて作るんです。カーボン繊維を斜めに巻いていくので、どうしても斜めの角度が出るんですけど、今回はその角度を考えて作ることで、先端の剛性を少し高められるカーボンシートの構造を採用しています。それによって当たり負けを防いだり、ちゃんとした打ち出し角が出たりするというところで、マシンでの計測ですがしっかりと結果が出たそうです」
フジクラ公式サイトでは、この技術を「DHX」と呼んでいます。従来の45度のバイアス層に、新たな角度のバイアス層を追加することで、ヘッドスピードの向上に加えて、インパクト時の当たり負けを抑制し、ボールのばらつきを軽減する狙いだとされています。先中調子という設計自体は、先端を動きやすくしつつ、中間から手元の剛性を高めるもの。先端は動かしながらも、繊維角度の工夫で当たり負けを抑える、という考え方のようです。
小岡さん:
「女子プロでも球の低い方にアプローチして、テストしてもらっているそうです。マシンテストでは、頂点が従来のモデルより1メートルぐらい高くなったという結果が出ているとのことでした。このシートを入れるのと入れないのとでは、ばらつきが全然違うそうですよ」

小岡さん自身も、NX WHITEを実際に打ってみたとのこと。先中調子のシャフトは一般的に手元の剛性を高めているため、手元が硬く感じやすい。そう予想して打ったところ、意外な感触だったといいます。
小岡さん:
「先中調子や先調子系のシャフトは手元の剛性を高めているので、通常は手元が硬く感じます。だからちょっと硬いなと感じるのかなと思っていたんですが、意外としなり感がしっかり伝わってくるシャフトだったので、いわゆる難しさというものは感じにくいシャフトじゃないかなと思います」
小岡さん:
「もちろん、シャフトは合う合わないがすごくあります。ただ、一般的にいうスライサーの方や球が上がらない方が、難しさをあまり感じることなく、すっといけるようなシャフトなんじゃないかな、というのが今回の印象ですね」
SPEEDER NX WHITEは、40g台・50g台・60g台・70g台の4つの重量帯で展開されます。小岡さんによると、主力になるのは40g台と50g台とのこと。
小岡さん:
「ラインナップは40g台、50g台、60g台、70g台の4タイプの重量設定です。メインになるのは50g台と40g台じゃないかなと思います。最近は女子プロでも軽いシャフトを使う方が多いです。40g台をテストしたり、ヘッドスピードのある方でも50g台だったり。60g台を使うプロはあまりいないので、一般のアマチュアの方も50g台、40g台のラインナップがベースになってくると思います」
フジクラ公式サイトの情報をもとに、ラインナップを整理しました。
価格はメーカー希望小売価格で45,000円(税抜)、税込では49,500円です。シャフトの価格については、小岡さんも今後の傾向を指摘します。
小岡さん:
「シャフトの金額は、今後だいぶ上がってくるんじゃないかなと思います。フジクラさんも45,000円ですし、グラファイトデザインさんも今回45,000円。そのあたりは各社で合わせてきているんじゃないかなと思いますね」
なお、近年は60g台や70g台を選ぶゴルファーが減っており、以前ラインナップにあった80g台はメーカーも作らなくなったとのこと。軽量シャフトへの流れは、プロもアマチュアも共通のようです。

シャフトは「合う合わない」がはっきり出るパーツです。だからこそ、実際に振って、数値と感覚の両方で確かめることが欠かせません。FROG GOLFには、話題の「PRGRサイエンスフィット」やFlightScope社の「X3」といった高精度な計測機器がそろっており、お客様一人ひとりのスイングをデータ化したうえで、ヘッドとシャフトの最適な組み合わせを提案しています。クラブの加工・調整にも対応しているので、今お使いのヘッドに新しいシャフトを合わせる相談もできます。
オーナーの小岡さんは、大手ゴルフ量販店で長年店長を務めたのち独立した、豊富な経験の持ち主。言葉にしづらい感覚的な悩みも相談しやすく、ゴルフを始めて数か月の初心者の方から、長年プレイされているベテランの方まで、それぞれに合った1本をていねいに探してもらえます。
小岡さん:
「今回のシャフトは振りやすくて、難しさをあまり感じないシャフトに仕上がっていると思います。あとは振り感で、お客様の感覚とどれだけマッチさせられるか。そこはフィッターの裁量だと思うので、気になる方はぜひ一度振りに来てください」
先端を動かして高さを出しながら、当たり負けとばらつきを抑える。従来の先調子系シャフトのジレンマに、繊維の角度という切り口で挑んだSPEEDER NX WHITE。スライスや球の高さに悩んでいる方は、ぜひFROG GOLFでその振り心地を体感してみてはいかがでしょうか。お問い合わせは下記まで。
メーカー公式サイトの製品ページはこちら。
お問い合わせは下記ページよりお願いします。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
この記事に関するキーワード

中調子にスピード感をプラス。グラファイトデザイン「TOUR AD EK」は硬さを感じない新世代の走り系

当たり負けしない先中調子。フジクラ「SPEEDER NX WHITE」はアマチュアにこそハマる1本

8年越しで満を持して誕生。プロギア「RS DUO」4層複合フェースの実力をFROG GOLFで伺いました