まいぷれ五・七・五
8月の「無人駅句会」は11名が参加しました。今回は東氏が選句した10句の俳句をご紹介いたします。
蟻地獄はウスバカゲロウの幼虫だが、蟻にとってはそのすり鉢状の穴に落ちたら悲惨である。もがけどもがけどもはい上がることは叶わない。社寺の境内の縁の下などでよく見かける。まこと境内は静かである。でも音はある。境内の森からは反響するかの如く蝉時雨である。乾いた土に炎帝は容赦をしない。昼下がりの境内には、炎暑も静かさも張り付いてしまったかのようだ。難を言えば、「しづかな」は語り過ぎたが、「昼」に救われた。下五の「ありにけり」も間延びした感は否めない。
黒揚羽は孤高の蝶だ。只の一匹で舞い上がっては消える。森と言っても鬱蒼した森ではなく、こんもりとした鎮守の森のようなもの。辺りには水も流れているだろう。この句の時間帯は暑さのやや少しゆるみ始めた午後の昼下がりと言ったところか。何気なく見上げた森からフッと黒揚羽が飛び出した。不意を衝かれた。あたり、かすかに森の匂いがしていた。
シルバーかプラチナの、リングの重なったような少し長めのイヤリングかな?夏の太陽にキラキラひかりながら揺れながら、少し坂なのか額に汗が滲む。「漕ぐ」という表現が「坂」を暗示していると思うよ。自転車はママチャリだろう。若いお母さんなのです。一言、「自転車」ではなく「自転車を」と「を」を入れた方が、八文字で破調になるが、漕いでいる臨場感がでるし、「漕ぐ」が醸す臭みも消えて句の表情が良くなった。
室内のクーラーの効いた部屋でもいいが、時折気持ちの良い風の吹く影になった縁側(古いか)とか、猫は眠ることが好きだ。背中を丸めての寝姿は、毛並みの柔らかさも相まって、かな文字のしなやか且つおだやかな感じを思う。あっさりとした夏菊の姿も涼しさを誘う。
コピー機のインク交換は面倒だが、カラー印刷にシアン色は欠かせない。じめじめと暑苦しい熱帯夜、コピー機のインクが切れた。坦担とインクを換えた。寡黙な夜である。
昔と違って、今では個人の本屋さんは姿を消した。嘗て、どの町や村にも本屋さんはあったのだ。そんな時代の本屋さんの話が深夜のラジオから流れてきた。アナウンサーとゲストのとつとつとした会話、含羞草はもう葉を畳んでいる。余談だが、含羞草の花は合歓の花に似て可憐。
白雨とは夕立とか、にわか雨のこと。突然の雨に、スカートの女性は手傘で小走りに軒を探す。小刻みに靴音。ふくらはぎに雨粒が弾ける。暫くの雨宿り、顔を拭い衣服の雨を払う。漸くに雨が上がった。この句を見て思い出したことがある。昔、ジャズレコード(LP)の表紙に、タイトスカートからふくらはぎの覗いたハイヒールの女性の写真があしらわれていた。斬新であった。タイトルはソニークラーク(ピアノ)の「COOL STRUTTIN」。
蛍草は露草のことである。立秋も過ぎてお盆の墓参り、あたりは雑草が勢いにまかせる。蛍草が青色の優しい花を咲かす。供える花も路傍の花も先人を和ませる。
「祇園祭」が惜しい。この句では「祇園祭」が説明の域を出ない。ここは「宵山や」で季語に感情を移入したほうがいい。宵山では山鉾の順行はなく、町々にとどめ置かれ、人々は歩行者天国となった四条通りを八坂神社まで歩く。作者は昔、縁ある三姉妹と祇園祭を楽しんだのだろう。
破調で散文調の俳句。大学の階段教室で聞いたブラックホールの話。夏休みの大学の静かな午後、ちょっとした昼下がりの、宇宙への招待だった。教室を出たのは五時を回っていただろうか、夕立とは言えない雨に見舞われた。
(東英幸 記)
伊予市灘町110
[ 旅館(ゲストハウス)/レンタルスぺース ]
大正・昭和にタイムスリップ! 当時の輝きと安らぎが今も残る旅館
松山市宮田町4 キスケBOX3階
[ エンターテインメント施設 ]
JR松山駅前! 四国最大級のエンターテインメント施設
伊予市双海町上灘87
[ いちご狩り・いちご販売 ]
雨の日でもいちご狩り! 6種類が食べ放題のいちご園
松山市中央1-3-20
[ ボウリング場(ボウリングクラブ) ]
全身運動で体にもうれしい! 松山でボウリングするなら中央ボウル
伊予市灘町105
[ 全天候型アミューズメント(サバゲー・ミニ四駆) ]
雨の日でも遊べる! 伊予市の新たなお出かけスポットが誕生!
伊予郡砥部町上原町240
[ 動物園 ]
大人も楽しめる魅力たっぷり! 西日本屈指の規模を誇る動物園