まいぷれ五・七・五
令和最初の「無人駅句会」は10名が参加しました。句会では参加者の全員が共通の数だけ選句しますが、その中でそれぞれが一番お気に入りの俳句を一句選び、特選句とします。今回はその特選句に焦点を当てましょう。
この句は特選が二人、並選が二人ありました。多くの方が支持したということです。因みに僕は支持していませんでした。初夏の心地よい風が、カーテン越しに机に向かっている作者をなでた。文を書いていたのか、インク壷にペン先を浸しながらの作業である。レトロ感一杯で、今の少年少女たちには想像できないだろう。このノスタルジックさが昭和生まれの方々に支持されたのだと思う。僕も少年時代に経験があり句も良く理解できるし時代が遡れば文句なしにいい句だと思う。だが、「インク壷」は今では死語に近い。俳句としては手練れに陥った感が強い。
この句は特選1、並選2。どうも桜の花でよさそうだ。こちら側には桜の木がない。対岸には見事に桜が列をなしていたのだ。「そめいよしの」の見事さだろうか、もう花も散って、桜蘂も散って、葉桜になろうとしているのだ。桜の名所もどうやら日常を取り戻したようだ。
この句は特選1、並選2。三点句という言い方をする。「丁」は土地の面積のとこなら「町」を使う方が頻度は多いように思う。一丁は十反であり、三千坪である。壮大な麦畑である。ましてやそれを抱く雲も壮大である。僕は「一片」の使い方が問題だと思う。どうも腑に落ちない。「雲一片」を止めて、雲の壮大さを読み込めばよい。ここの推敲が山場だ。たとえば、たとえばだよ、季重なりを承知で、一丁の麦秋抱く夕焼雲(ゆやけぐも)。とかね。麦秋と夕焼雲は夏の季語なり。
この句は特選1。鰐怖いですねー。でも怖いなんていってられない。春もたけなわ、のんびりと鰐は口をあんぐりと開けたまま目を閉じているのだ。鰐の口ひねもすのたりのたりかな。与謝蕪村の句、「春の海ひねもすのたりのたりかな」のパロディーでした。この句の狙いはいいんだけど、「静止」がダメ。俳句をぶち壊した。俳句で「静止」を使うのは御法度です。ただの説明です。
この句は特選1。大概バスは時刻より遅れがちだ。藤棚のある公園前にバス停があったのか、バスの遅れにいらいらするでもなく、どことなく安心感のある句。「遅れ」「触れ」にゆったり感があり、藤の花の優雅さと合う。しかし、「春のバス」の春はダメだ。「春」「藤の花」は季語がだぶっており、季だぶりの効果なし。俳句では禁忌事項の一つです。(例外あり)
この句は特選1。スカンポは酸葉(すいば)のこと。土手などに咲く雑草。雲行きが怪しくなってきて、雨の気配。雨がぽつり、一筋のようにすーと落ちてきた。また一筋一筋、春の雨は優しいのです。スカンポは実れば土手一面が更紗のようになる。「土手のスカンポ、ジャワ更紗・・・」と小学生の頃歌った記憶がある。
特選句を選ぶときは選者に思い入れがあったり、強く琴線に触れたような句を選びがちだ。句の善し悪しも問われるのだが、そういったところから深読みをしてくれる読み手に出会うと名句になる可能性が大なのだ。俳句は詠むのも創作だが、選をすることも創作なのです。(東 英幸 記)
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